解説記事 — フレーズフレーズミー
仮定法仮定法の作り方|wish に will を使ってしまう理由と時制のずらし方
30秒でわかる
仮定法の仕組みはひとつだけ——現実とズレた話は、動詞の時制を1つ過去にずらして示す。今の話なら過去形(If I had 1億円 / I wish he would …)、それより前の話なら過去完了(as if you had seen …)。実現を普通に願う hope は will のまま、「(難しそうだけど)〜ならなあ」の wish になったら would に切り替えます。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 彼が試験に合格するといいなあ。
wish は「現実には難しそうだけど…」という、現実とズレた願いの動詞。ズレの印として中身の時制を1つ過去にずらすので、will ではなく would です。普通に実現を願うなら I hope he will pass。
例文: 1億円あったら、家が買えるのになあ。
「1億円あったら」——現実には持っていない仮定なので、if の中も過去形の had。have のままだと「実際にあるかもしれない条件」の文になり、後ろの could と噛み合いません。
例文: どうかしたんですか。まるで幽霊か何かを見たかのような顔をしていますね。
「まるで幽霊でも見たかのよう」——見たのは(実際には見ていないうえに)今より前の話。ズレ+前の話なので、過去完了 had seen までずらします。saw で止めた誤答も90回以上ありました。
「仮定法」のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第13位。当サービスの人手添削12年分で7,036回指摘されました。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語では「1億円あったら家が買える」も「時間があったら寄ってね」も同じ「あったら」です。現実離れした仮定か、ありうる条件かを、日本語は形で区別しません。英語はここを「時制を1つ過去にずらす」という仕組みで区別します——日本語に存在しない操作なので、意識して身につけるしかありません。
「〜するといいなあ」も同じで、日本語では1つの言い方に hope(実現を普通に願う)と wish(現実とズレた願い)の両方が潰れて入っています。訳す前に「これは現実的な願いか、ないものねだりか」を判定するのが第一歩です。
こう考える——書くときの判断手順
- その「もし・〜ならなあ」は現実とズレている?(ないものねだり・事実に反する)——ズレていなければ普通の条件文・hope+will のまま
- ズレているなら、動詞を1つ過去へずらす(If I had … / I wish he would …)
- 今より前の話の仮定・「まるで〜したかのよう」なら、過去完了までずらす(as if you had seen)
- 帰結の助動詞は意味で選ぶ——would(〜だろうに)・could(〜できるのに)。「家が買えるのになあ」は could buy
ここまでは同じ、ここからは別
wish の中がいつも would になるわけではありません。状態の願いなら過去形そのものを使います——「彼女がここに居てくれればなあ」は I wish she were here.(be 動詞は were)。また、時制をずらすのは仮定法の印であって、過去の話だから過去形にするのとは別の仕組みです。形は同じ過去形でも、役割が違います。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「〜するといいなあ」を hope(will)か wish(would)か判定したか
- 現実とズレた if の中を過去形にしたか(have→had)
- 「まるで〜したかのよう」など前の話の仮定を過去完了までずらしたか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「彼が試験に合格するといいなあ。」を、実際に英語で書いてみてください。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「彼が試験に合格するといいなあ。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「仮定法」への照合が 7,036回・1.1%。集計 2026-08-13)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。