解説記事 — フレーズフレーズミー
動詞の形(時制)have been to と have gone to の違いは?|「行ったことがある」と「行ってしまった」の英語
30秒でわかる
「〜に行ったことがある」という経験は have been to、「〜に行ってしまった(今ここにいない)」という結果は have gone to。gone は go(向かう)の過去分詞なので、「向かったままである」=もう戻っていないニュアンスが出ます。経験を尋ねる文に gone を使うのが最頻出の誤りです。
まず、実際の間違いを見てください
次の誤答は、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘されたものです(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 今までイギリスに行ったことはありますか。
have gone to は「行ってしまった」という意味です。go 自体が運動の方向を表す動詞なので、「主語がどこかに向かったままである」という含みを持ちます。行ったことがあるかどうかの経験を尋ねるなら have been to を使います。
例文: 彼女は家族と一緒にアメリカに行ってしまった。
had+過去分詞(過去完了形)は、過去のある時点より前に起きた事柄を述べるときの形です。この文の出来事はひとつだけなので、現在完了形 has gone で表します。
例文: 彼女は家族と一緒にアメリカに行ってしまった。
have been to だと「行ったことがある」という経験になってしまいます。「行ってしまって今ここにいない」は have gone to です。取り違えは両方向で起きています。
have been to と have gone to の取り違えは、よくある誤り全222タイプの中で第131位。当サービスの人手添削12年分で463回指摘されました。「経験を尋ねる疑問文に gone」が誤答の中心です。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語では「行ったことがある」も「行ってしまった」も、動詞は同じ「行く」です。だから英語でもつい go の変化形(gone)を使いたくなります。ところが現在完了形では、gone は「向かったまま戻っていない」という結果を背負った形です。「行ったことがありますか?」と目の前の相手に gone で尋ねると、理屈のうえでは「あなたは行ったきり戻っていないのですか?」というかみ合わない文になってしまいます。
have been to ——「行ったことがある」(経験)
have been to は「〜に行ったことがある」という経験を表す現在完了形です。
I have been to London to watch a soccer game.(私はサッカーを観にロンドンに行ったことがある。)♪
行って、そして戻ってきたうえで、その体験を語るのが have been to です。Have you ever ...?(今までに〜したことがありますか)と組むのは、いつもこちらです。
have gone to ——「行ってしまった」(結果)
have gone to は「〜に行ったままである」という結果を表す現在完了形です。
My uncle has gone to Tokyo.(私のおじは東京に行ってしまった。)
おじは今、東京に行ったきりで、話し手のそばにはいません。この「もうここにいない」が have gone to の核心です。なお、最近のアメリカ英語では have gone to を経験の意味で使う例も見られますが、前後関係が明白な場合に限られ、みだりに使うと誤解を招きます。上記の使い分けを守るのが安全です。
使い分け表
| 形 | 意味 | 核心イメージ | よく組む語 |
|---|---|---|---|
| have been to | 行ったことがある(経験) | 行って戻ってきた | ever, never, before, once |
| have gone to | 行ってしまった(結果) | 行ったきり、今ここにいない | (主語は自分・目の前の相手以外) |
現在完了形そのものの形と用法(完了・経験・継続)は現在完了形の記事で扱っています。
まとめ——書いたあとのチェック
- Have you ever ...? の経験の文に gone を使っていないか
- 「行ってしまった(今いない)」なら have gone to
- 過去の出来事がひとつだけなら過去完了(had gone)にしない
データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「have been to と have gone to の違い(行ったことがある、行ってしまった)」への照合が 463回・0.07%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。