解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けend と finish の違い|「戦争が終わる」は finish ではない——「終わる」の英語の使い分け
30秒でわかる
「終わる」の英語は、取り組んでいた作業・課題がやり遂げられて終わるなら finish、期間・状態・出来事がただ終了するなら end の2つを軸に選びます。仕事・宿題・読書は finish、戦争・会議・時代は end。迷ったら「誰かがやり遂げたのか、それとも区切りが来ただけか」と自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 第二次世界大戦は1945年に終わった。
「戦争が終わる」は end。finish には「ある目的のために行われてきたことが達成される」というニュアンスがあるため、戦争のような出来事・期間の終了には合いません。
例文: 彼女の最新の小説を読んでいるんですが、まだ読み終えていません。
haven't read it だと「まだ読んでいない」——今まさに読んでいる前半と矛盾します。「読み終えていない」という読了のニュアンスは finish で出します(read it through「最後まで読む」でも可)。
例文: 私はこの仕事が終わったら京都に行くつもりです。
「仕事が終わる」は目的をもって始めた行動が成し遂げられる終わり方なので finish。しかも finish は他動詞で目的語を直接取れるため、of は不要です。
「終わる」の言い分けのミスは、よくある誤り全222タイプの中で第150位。当サービスの人手添削12年分で265回指摘されました。件数は多くありませんが、出ると必ず減点される「知っているかどうか」型の使い分けです。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語は「戦争が終わる」「仕事が終わる」「本を読み終える」を、ぜんぶ同じ動詞「終わる(終える)」で言えてしまいます。英語はここを分業していて、「誰かが取り組んでいたことをやり遂げる終わり」と「期間・状態・出来事に区切りが来る終わり」を別の動詞で表します。この区別が日本語に存在しないため、学校で先に習うことの多い finish を「終わる」の万能訳として当てはめ、The war finished と書いてしまうのです。逆方向の誤りもあります。「読み終えていません」を haven't read(まだ読んでいない)と訳してしまう——日本語の「〜終える」が動詞の外側にくっつく補助動詞なので、英語でも省略できる飾りのように感じてしまうのですが、英語では finish がその意味を担う本動詞です。
使い分けを表にまとめます。
| 動詞 | 終わり方のイメージ | 典型例 |
|---|---|---|
| finish | 取り組んでいた作業・課題をやり遂げて終わる | finish the work(仕事)/ finish reading(読書)/ finish one's homework(宿題) |
| end | 期間・状態・出来事に区切りが来て終わる | The war ended.(戦争)/ The meeting ended at five.(会議) |
| complete | 足りない部分を埋めて完全なものに仕上げる(やや堅い) | complete the form(記入)/ complete the course(課程) |
| conclude | 締めくくる・結論づける(改まった場面) | conclude a speech(スピーチ)/ conclude a treaty(条約を結ぶ) |
| close | 開いていたものを閉じる・営業や受付を終える | close the store(閉店)/ The ceremony closed with a song.(閉会) |
日常の英作文でまず問われるのは finish と end の2つです。complete・conclude・close は「こういう仲間もある」と知っておけば十分です。
こう考える——書くときの判断手順
- 終わるものは何か——人が取り組んでいた作業・課題(仕事・宿題・食事・読書)なら finish、期間・状態・出来事(戦争・会議・休暇・時代)なら end
- 迷ったら「やり遂げたと言い換えられるか」——言い換えられるなら finish、「区切りが来た」だけなら end
- finish は他動詞——finish the work のように目的語を直接続ける(× finish of this work)。「〜し終える」は finish +動詞の -ing 形(finish reading。× finish to read)
- 「読み終えていない」「食べ終えた」の「〜終える」を訳し落としていないか——haven't read(まだ読んでいない)と haven't finished(読み終えていない)は意味が違う
ここまでは同じ、ここからは別
「第二次世界大戦は1945年に終わった」では、World War II ended でも The Second World War ended でも正解です。また、戦争を終わらせる側の為政者のセリフ(We will finish this war.)なら finish もありえますが、特殊なケースです。「読み終えていません」は haven't finished reading it のほか、haven't read it through(through で「最後まで」)も正解として認めています——finish が唯一の答えではなく、読了のニュアンスが英文に出ていることが採点の基準です。なお finish は enjoy と同じ「後ろに -ing しか取れない動詞」の仲間です。enjoy 側のつまずきはenjoy の記事で扱っています。
まとめ——書いたあとのチェック
- 戦争・会議など出来事の「終わる」に finish を使っていないか(end に)
- 「〜し終える」のニュアンスを finish(+ -ing)で英文に出せているか
- finish の後ろに of を挟んでいないか(他動詞なので目的語を直接)
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「第二次世界大戦は1945年に終わった。」を、実際に英語で書いてみてください。end と finish の使い分けがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「第二次世界大戦は1945年に終わった。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「end, finish, complete, conclude, close の違い」への照合が 265回・0.04%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。