解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けfit・suit・go with の違い|「この靴は足に合わない」の「合う」はどれ?
30秒でわかる
日本語の「合う」は1語ですが、英語は何が何に合うのかで動詞を替えます。サイズ・形が合うなら fit、色・柄・スタイルが人に似合うなら suit、物と物が調和するなら go with。さらに fit は一般動詞なので、否定は be動詞でなく don't/doesn't で作ります。迷ったら「メジャーで測って決まる話か?」と自問——測って決まる(サイズの)話なら fit です。
まず、実際の間違いを見てください
次の2つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: この靴は私の足に合わない。
fit を形容詞として be動詞と組んだ誤りです。形容詞の fit は「(運動で)健康な・適切な」の意味で、「サイズが合う」の意味はありません。「合う」は一般動詞の fit——否定は do not fit です。
例文: この靴は私の足に合わない。
同じ型の誤りです。be動詞の後ろに fit を置いた時点で形容詞扱いになり、そのうえ直後に目的語(my foot)が続くので文法的にも成り立ちません。動詞 fit が目的語を直接とります。
fit・suit・go with の取り違えは、よくある誤り全222タイプの中で第148位。当サービスの人手添削12年分で274回指摘されました。件数は多くないものの、間違えた本人は「fit を使ったのになぜ減点?」と戸惑いやすい——原因が単語選びでなく be動詞の混入にあるからです。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
原因は2段階あります。第一に、日本語の「合う」が1語で3つの意味を兼ねていること。「靴のサイズが合う」「その色はあなたに合う」「このネクタイはシャツに合う」——日本語ではぜんぶ「合う」ですが、英語は fit/suit/go with と別の動詞に割り当てます。和英辞典で最初に出た1語をどの「合う」にも使い回すと、ここで取り違えが起きます。
第二に、「合わない」を「〜ではない」と読み替えて be動詞を入れてしまうこと。日本語の「合わない」は状態の説明に聞こえるので、「この靴は(私に合う状態)ではない」= are not fit と組み立てたくなります。しかし英語の fit は run や like と同じ一般動詞で、「合う」という動作・働きを表します。だから否定は be動詞でなく don't/doesn't で作ります。be動詞の後ろに置けるのは形容詞の fit だけで、それは keep fit(健康を保つ)の fit——意味が別物です。
3つの使い分けを表にまとめます。
| 動詞 | 合うもの | 例文 |
|---|---|---|
| fit | サイズ・形が(体に)合う | These shoes don't fit me.(この靴はサイズが合わない) |
| suit | 色・柄・スタイルが(人に)似合う。都合が合うにも | That color suits you.(その色は似合う) |
| go with | 物と物が調和する | This tie goes with your shirt.(このネクタイはシャツに合う) |
見分けの目印: fit だけが「測れる」話(サイズ・寸法)、suit は「人」が相手(〜に似合う)、go with は「物どうし」の組み合わせです。
こう考える——書くときの判断手順
- その「合う」は測って決まるか?——サイズ・寸法・形の話なら fit。「この靴は足に合わない」は靴のサイズの話なので fit です(suit・go with を使うと減点になります)
- 人に似合う話か?——色・柄・服装の印象なら suit。相手は人(suits you)
- 物どうしの組み合わせか?——ネクタイとシャツ、家具と部屋なら go with
- fit を選んだら、be動詞を入れずにそのまま動詞として使う——否定は don't/doesn't fit
ここまでは同じ、ここからは別
「この靴は私の足に合わない」は、fit を使わずに These shoes are not in my size. と言うこともできます(当サービスの添削でもこの言い換えを正解として案内しています)。be動詞が誤りなのではなく、「be動詞+形容詞 fit」の組み合わせが誤りだった——in my size のような別の表現なら be動詞の文で構いません。また、目的語は me でも my foot でも my feet でも正解です。逆に、suit と go with が「悪い単語」なわけでもありません。「その色、君に似合うよ」なら suit が正解で、fit ではむしろ不自然です。減点されるのは単語そのものでなく、どの「合う」にどの動詞を割り当てたかの取り違えです。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「合う」を fit/suit/go with のどれで書くか、「測れるか・人か・物どうしか」で選んだか
- fit の前に be動詞を入れていないか(否定は don't/doesn't fit)
- サイズの話に suit・go with を使っていないか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「この靴は私の足に合わない。」を、実際に英語で書いてみてください。「合う」の動詞選びと、be動詞を入れない否定の形がそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「この靴は私の足に合わない。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「fit, suit, go with の違い(合う)」への照合が 274回・0.04%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。