解説記事 — フレーズフレーズミー
比較倍数表現の語順|「4倍の服」は four times as many clothes as——times の置き場所
30秒でわかる
「Bの◯倍のA」は ◯ times as + 形容詞+名詞 + as B——倍数(four times / twice)は比較のかたまり全体のいちばん前に置きます。as 〜 as の間には形容詞の原級を入れ、名詞を修飾しているなら名詞ごとひとまとめに(many clothes)。迷ったら「times は as より前か? 名詞は as 〜 as の内側か?」と自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: アンナ(Anna)は私の4倍の服を持っています。
four times more は名詞(clothes)の前に置きます。「服を・4倍・多く」と日本語の順に並べると、比較のかたまりが名詞の後ろにちぎれてしまいます。
例文: 帰りは行きの3倍の時間がかかった。
時間の「長さ」は long で表すのが自然です。as 〜 as の間には形容詞・副詞の原級を入れます——ここでは long ひとつで足ります(a long time のように冠詞つきの名詞句は入れません)。
例文: アンナ(Anna)は私の4倍の服を持っています。
2つ直します。①倍数と as 〜 as は名詞の前へ、名詞は as 〜 as の内側へ(four times as many clothes as)。②clothes は数えられる複数名詞なので much でなく many です。
倍数表現のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第135位。当サービスの人手添削12年分で444回指摘されました。件数は多くありませんが、間違い方が「語順」に集中している——つまり型をひとつ覚えれば一気に消せるタイプの減点です。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語では「私の4倍の服」と、倍数が名詞のすぐ隣にくっつきます。しかも「服を4倍持っている」のように、数量の情報を動詞の近く(文の後ろ)に回すこともできます。この語感のまま英語を組むと、Anna has clothes(服を持っている)とまず言い切ってから four times... を後ろに足す——実際の誤答の大半がこの形です。
英語の倍数表現は発想が逆で、「何倍か」を最初に宣言してから比較を始めます。かたまりの順番は固定です。
図の内容を表にするとこうなります。
| 言いたいこと | 順番 | 例 |
|---|---|---|
| Bの4倍のA(数) | four times as many A as B | four times as many clothes as I have |
| Bの4倍のA(量) | four times as much A as B | four times as much water as before |
| 3倍の時間・長さ | three times as long as 〜 | three times as long to return as to go |
| 2倍・半分 | twice as 〜 as / half as 〜 as | twice as many books as I have |
「半分」「3分の1」など分数を使った比べ方は分数の書き方の記事で、as 〜 as を使わないふつうの比較級・最上級の基本は比較級・最上級の記事で扱っています。
こう考える——書くときの判断手順
- 倍数(four times / three times / twice)を文のどこよりも先、as の直前に置く——「◯倍」と先に宣言してから比較を始める
- as 〜 as の間に入れるのは形容詞・副詞の原級。名詞を修飾しているなら名詞ごとひとまとめに入れる(as many clothes as)。名詞を as 〜 as の外に残さない
- 原級を選ぶ——数えられる名詞の数なら many、量なら much、時間の長さなら long。a long time のような冠詞つきの名詞句は as 〜 as の間に入れない
- 後ろの as のあとに比べる相手を置く——主語が Anna なら as I have / as I do(than の後も同じで、mine や me でなく I と呼応させます)
ここまでは同じ、ここからは別
「アンナは私の4倍の服を持っています」は、four times as many clothes as I have と four times more clothes than I have のどちらも正解です(当サービスの採点でも両方を模範解答にしています)。また clothes は常に複数形で使う単語なので many が自然ですが、much clothes も文法的な誤りとしては扱いません。
ただし、比べる相手を言わずに four times more than 〜 とだけ書くと「4倍増し(=結果5倍)」と読まれることがあります。確率や増加量の文脈では特に誤解されやすいので、four times as 〜 as の型か、four times the probability of 〜 のように「4倍の+名詞」の型で書くのが安全です(当サービスの採点でも、この読み違いを招く形は減点対象です)。
まとめ——書いたあとのチェック
- 倍数(times / twice)は as より前に置いたか
- 名詞は形容詞(many / much)とひとまとめで as 〜 as の内側に入れたか
- 数は many・量は much・時間の長さは long——冠詞つきの a long time を挟んでいないか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「アンナ(Anna)は私の4倍の服を持っています。」を、実際に英語で書いてみてください。four times と as many clothes as の語順がそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「アンナは私の4倍の服を…」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「倍数の書き方(倍数表現)」への照合が 444回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。