解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分け英語の重複表現|used to に before はいらない——同じ意味を二度言うミス
30秒でわかる
英語の熟語や単語には、日本語の一文ぶんの意味をまるごと含んでいるものがあります。used to には「昔は」が、shower には「にわか」が入っています。日本語を一語ずつ英語に置き換えると、すでに含まれている意味をもう一度書いてしまう——これが重複(じゅうふく)の減点です。迷ったら「この英語だけで日本語の意味が全部言えていないか?」と自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 昔はこのバス停の前に警察署がありました。
used to だけで「以前は〜だった(今は違う)」まで言えています。「昔は」を before で足すと、同じ意味を二度言うことになります。in the past・previously・once を足しても同じ減点です。
例文: 冬にはよく北海道にスキーに行ったものです。
used to は「よく〜したものだ」という過去の習慣を表すので、often の意味をすでに含んでいます。「よく」を訳したければ would often(こちらは often と組みます)。
例文: この製品の名前は、社長の生まれ故郷にちなんでつけられた。
動詞 name が「〜に名前をつける」なので、主語にまで name を置くと「名前が名づけられた」という重複になります。名づけられるのは製品そのもの——This product を主語にします。
「同じ意味を二度言う」ミスは、よくある誤り全222タイプの中で第24位。当サービスの人手添削12年分で4,482回指摘されました。文法としては合っていても減点される、見落としやすい型です。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
原因は単純で、日本語の文を一語ずつ英語に置き換えているからです。「昔は/このバス停の前に/警察署が/ありました」と分解すると、「昔は」に before を、「ありました」に used to be を割り当てたくなります。ところが英語の used to は、日本語なら二語ぶん(「昔は」+「あった」)の意味を1つで背負う表現です。日本語側の全部の語に英単語を対応させると、必ずどこかで意味がだぶります。
このクセは熟語だけでなく単語レベルでも起きます。shower は「にわか雨」、burst into tears は「突然泣き出す」、whenever は「〜するたびにいつも」——訳語の中にすでに副詞が織り込まれています。だから a sudden shower・suddenly burst into tears・whenever ... always はすべて重複です。
よく減点される組み合わせを表にまとめます。左の表現だけで意味が完結しているので、右は書きません。
| これだけで完結 | 重ねると減点 | 含まれている意味 |
|---|---|---|
| used to 〜 | before / often | 昔は・よく〜したものだ |
| a shower | sudden | 「にわか」雨 |
| burst into tears | suddenly / start | 突然・泣き「出す」 |
| as if 〜 | look like の like | 「〜のように」 |
| She doesn't like A or B | neither ... nor | 否定(重ねると二重否定で肯定に) |
こう考える——書くときの判断手順
- 熟語・慣用句を使ったら、その表現の日本語訳を丸ごと思い出す——「used to=昔はよく〜したものだ」。訳の中にすでに入っている語(昔は・よく・突然・にわか)は、もう書かない
- 同じ単語・同じ語源の語が1文に二度出ていないか見る——name ... named・as many as Japan has の has の繰り返しは、主語を変える・代動詞 does にする・省略するなどで片方を消す
- 否定語は1文に1つ——not を使ったら neither/nor は使わない(× doesn't like neither A nor B。二重否定は逆に肯定の意味になります)
- 削るか迷ったら、削って意味が欠けるかで決める——欠けないなら削るのが正解
ここまでは同じ、ここからは別
重複の「片割れ」自体が悪いわけではありません。「よく〜したものだ」は would often なら often と組めます(would 自体に「よく」の意味がないため。当サービスの採点でも I would often go skiing は模範解答です)。否定も、not を使わなければ neither ... nor は正しい形です——She likes neither dogs nor cats. は正解。また has の繰り返しは、代動詞 does に変える・as many earthquakes as Japan. と省略する、のどちらも正解として認めています。禁止されているのは組み合わせであって、単語そのものではない——ここを取り違えると「often は使ってはいけない」式の過剰な思い込みになります。
まとめ——書いたあとのチェック
- 熟語の訳に含まれている語(昔は・よく・突然・にわか)を、外側にもう一度書いていないか
- 同じ単語・同じ語源の語が1文に二度出ていないか(代名詞・代動詞・省略で消す)
- 否定語は1文に1つになっているか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「昔はこのバス停の前に警察署がありました。」を、実際に英語で書いてみてください。used to に「昔は」を重ねないかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「昔はこのバス停の前に警察署がありました。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「表現の重複を避ける」への照合が 4,482回・0.7%。集計 2026-08-13)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。