解説記事 — フレーズフレーズミー

単語の使い分け

英語の重複表現|used to に before はいらない——同じ意味を二度言うミス

30秒でわかる

英語の熟語や単語には、日本語の一文ぶんの意味をまるごと含んでいるものがあります。used to には「昔は」が、shower には「にわか」が入っています。日本語を一語ずつ英語に置き換えると、すでに含まれている意味をもう一度書いてしまう——これが重複(じゅうふく)の減点です。迷ったら「この英語だけで日本語の意味が全部言えていないか?」と自問してください。

×There used to be a police station here before.
There used to be a police station here.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 昔はこのバス停の前に警察署がありました。

×There used to be a police station in front of this bus stop before.257回
There used to be a police station in front of this bus stop.

used to だけで「以前は〜だった(今は違う)」まで言えています。「昔は」を before で足すと、同じ意味を二度言うことになります。in the past・previously・once を足しても同じ減点です。

例文: 冬にはよく北海道にスキーに行ったものです。

×I often used to go skiing in Hokkaido in winter.197回
I used to go skiing in Hokkaido in winter.

used to は「よく〜したものだ」という過去の習慣を表すので、often の意味をすでに含んでいます。「よく」を訳したければ would often(こちらは often と組みます)。

例文: この製品の名前は、社長の生まれ故郷にちなんでつけられた。

×The name of this product was named after the president's hometown.164回
This product was named after the president's hometown.

動詞 name が「〜に名前をつける」なので、主語にまで name を置くと「名前が名づけられた」という重複になります。名づけられるのは製品そのもの——This product を主語にします。

第24位

「同じ意味を二度言う」ミスは、よくある誤り全222タイプの中で第24位。当サービスの人手添削12年分で4,482回指摘されました。文法としては合っていても減点される、見落としやすい型です。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

原因は単純で、日本語の文を一語ずつ英語に置き換えているからです。「昔は/このバス停の前に/警察署が/ありました」と分解すると、「昔は」に before を、「ありました」に used to be を割り当てたくなります。ところが英語の used to は、日本語なら二語ぶん(「昔は」+「あった」)の意味を1つで背負う表現です。日本語側の全部の語に英単語を対応させると、必ずどこかで意味がだぶります。

このクセは熟語だけでなく単語レベルでも起きます。shower は「にわか雨」、burst into tears は「突然泣き出す」、whenever は「〜するたびにいつも」——訳語の中にすでに副詞が織り込まれています。だから a sudden shower・suddenly burst into tears・whenever ... always はすべて重複です。

× 一語ずつ対応させると… used to be before 「昔は」+「あった」 「昔は」(二度目) ○ used to が全部を背負う used to be 「昔は〜があった(今はない)」 足りない語はない=何も足さない
used to は「昔は」の意味まで含む。before を足すと同じ意味の箱が2つ並ぶ。

よく減点される組み合わせを表にまとめます。左の表現だけで意味が完結しているので、右は書きません。

これだけで完結重ねると減点含まれている意味
used to 〜before / often昔は・よく〜したものだ
a showersudden「にわか」雨
burst into tearssuddenly / start突然・泣き「出す」
as if 〜look like の like「〜のように」
She doesn't like A or Bneither ... nor否定(重ねると二重否定で肯定に)

こう考える——書くときの判断手順

  1. 熟語・慣用句を使ったら、その表現の日本語訳を丸ごと思い出す——「used to=昔はよく〜したものだ」。訳の中にすでに入っている語(昔は・よく・突然・にわか)は、もう書かない
  2. 同じ単語・同じ語源の語が1文に二度出ていないか見る——name ... named・as many as Japan has の has の繰り返しは、主語を変える・代動詞 does にする・省略するなどで片方を消す
  3. 否定語は1文に1つ——not を使ったら neither/nor は使わない(× doesn't like neither A nor B。二重否定は逆に肯定の意味になります)
  4. 削るか迷ったら、削って意味が欠けるかで決める——欠けないなら削るのが正解

ここまでは同じ、ここからは別

重複の「片割れ」自体が悪いわけではありません。「よく〜したものだ」は would often なら often と組めます(would 自体に「よく」の意味がないため。当サービスの採点でも I would often go skiing は模範解答です)。否定も、not を使わなければ neither ... nor は正しい形です——She likes neither dogs nor cats. は正解。また has の繰り返しは、代動詞 does に変える・as many earthquakes as Japan. と省略する、のどちらも正解として認めています。禁止されているのは組み合わせであって、単語そのものではない——ここを取り違えると「often は使ってはいけない」式の過剰な思い込みになります。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「昔はこのバス停の前に警察署がありました。」を、実際に英語で書いてみてください。used to に「昔は」を重ねないかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「昔はこのバス停の前に警察署がありました。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「表現の重複を避ける」への照合が 4,482回・0.7%。集計 2026-08-13)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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