解説記事 — フレーズフレーズミー

単語の使い分け

appreciate と thank の違い|「感謝する」の英語は目的語で決まる

30秒でわかる

「感謝する」の英語は、後ろに置く目的語で動詞が決まります。に感謝を言うなら thank + 人(thank you)、行為や物事に感謝するなら appreciate + 物事(appreciate your kindness)。人そのものを appreciate の目的語にはできません。迷ったら「感謝の相手は人か、してくれたことか」を考えてください。

×I can't appreciate you enough.
I can't thank you enough.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: あなたにはいくら感謝してもしきれない。

×I can't appreciate you enough.135回
I can't thank you enough.

この単元で最多の誤りです。appreciate の目的語に置けるのは人の行為や物事(your kindness・your help など)で、人そのもの(you)は置けません。人に直接感謝を言う動詞は thank。I can't thank you enough は「いくら感謝してもしきれない」の決まり文句です。

例文: あなたにはいくら感謝してもしきれない。

×I can't thank enough.40回
I can't thank you enough.

thank は目的語が必須の動詞で、直後にかならず「人」を置きます。日本語では「感謝してもしきれない」と相手を言わずに済みますが、英語では you を省けません。

例文: あなたにはいくら感謝してもしきれない。

×I cannot appreciate you enough.34回
I cannot appreciate your kindness enough.

appreciate を使うこと自体は誤りではありません。目的語を you から your kindness(あなたの親切)のような「物事」に差し替えれば正解になります。「あなたに」を「あなたのしてくれたことに」と読み替えるのがコツです。

第138位

appreciate と thank のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第138位。当サービスの人手添削12年分で394回指摘されました。誤りのほとんどが「appreciate + 人」と「thank の目的語落ち」の2パターンに集中しています。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

日本語の「感謝する」は、相手にも物事にも同じ形で使えます。「あなた感謝する」も「ご親切感謝する」も、助詞「に」でつなぐだけ。しかも「感謝してもしきれない」のように、相手を言わずに文を終えることもできます。英語はここを分業していて、目的語が人なら thank、行為・物事なら appreciate と動詞ごとに「後ろに入れられるもの」の枠が決まっています。この枠の感覚が日本語にないため、「あなたに感謝」をそのまま appreciate you と直訳したり、相手の you を落として thank enough と書いたりしてしまうのです。

thank you / him / my parents appreciate 行為・物事 your kindness / your help appreciate 人 は入らない × appreciate you
thank の後ろの枠には人、appreciate の後ろの枠には行為・物事。appreciate に人を入れるのは枠違い。

図の内容を表にするとこうなります。

表現目的語に置くもの
thank + 人人(必須。省略できない)Thank you. / I can't thank you enough.
appreciate + 物事人の行為・物事I appreciate your kindness. / I appreciate your help.
appreciate + 人——× I appreciate you.(枠違いで減点)

なお、名詞の thanks(感謝)を使った前置詞 thanks to 〜(〜のおかげで)は、また別の決まり文句です。thank to と s を落とす誤りが多発しているので、そちらはbecause of と thanks to の記事で扱っています。

こう考える——書くときの判断手順

  1. 感謝の目的語は人か、してくれたこと(物事)かを決める——「あなたに」なら人、「ご親切に」なら物事
  2. 人なら thank + 人——thank は目的語必須。thank enough のように相手を落とさない
  3. 物事なら appreciate + 物事——「あなたに感謝」を appreciate で言いたければ、目的語を your kindness・your help のような「してくれたこと」に読み替える
  4. 「いくら感謝してもしきれない」は決まり文句 I can't thank you enough をそのまま使う——can't + enough で「十分には〜できない」。too much(〜しすぎる)で代用しない

この手順は当サービスの採点基準と同じ判定です。「あなたにはいくら感謝してもしきれない」で appreciate の目的語に you を直接置くと手順3で減点(3点減)。I can't thank you enough か、目的語を物事に替えた I cannot appreciate your kindness enough が正解です。

ここまでは同じ、ここからは別

「あなたにはいくら感謝してもしきれない」は、I can't thank you enough も I cannot appreciate your kindness enough も両方正解です(当サービスの採点でも両方可)。appreciate という単語自体が誤りなのではなく、目的語の枠を間違えたときだけ減点になります。また、ネイティブの会話では I appreciate you. という言い方を耳にすることもありますが、これは「あなたという存在をありがたく思う」という特殊な強調表現で、和文英訳の「あなたに感謝する」の答えとしては減点対象です。試験・英作文では「appreciate の後ろは物事」で覚えておくのが安全です。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「あなたにはいくら感謝してもしきれない。」を、実際に英語で書いてみてください。thank と appreciate の目的語の使い分けがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「あなたにはいくら感謝しても…」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「appreciate と thank の違い(感謝する)」への照合が 394回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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