解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分け数の多い・少ないを表す英語表現|「ほとんど読んでいない」が not almost all ではない理由
30秒でわかる
「ほとんど〜ない」は、not で all を打ち消すのではなく、「ほぼゼロ」を表す few(数えられない名詞なら little)を使います。not ... all は「全部〜なわけではない」という部分否定で、意味がまったく変わってしまいます。a few(少しはある)と few(ほとんどない)の a の有無にも注意。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: この本棚にある本はほとんど読んでいません。
not と all の組み合わせは「全部読んだわけではない」(=85冊くらいは読んでいるイメージ)になり、「ほとんど読んでいない」(=5冊くらいのイメージ)は表せません。「ほぼゼロ」は few books で表します。
例文: この本棚にある本はほとんど読んでいません。
almost をつけても「ほとんど全部〜なわけではない」となるだけで、部分否定のままです。a なしの few books で「ほとんどゼロに近い」を表せます。
例文: この本棚にある本はほとんど読んでいません。
book は数えられる名詞なので few を使います。little は数えられない名詞用です(only a little money など)。few だけでもよいですが、only a few 〜 で「ほんの少し」のニュアンスを表せます。
数の大小を表す表現のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第165位。当サービスの人手添削12年分で147回指摘されました。「ほとんど〜ない」を not + all で書いてしまう誤りに集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「ほとんど読んでいない」は、「ほとんど」+否定という組み立てです。これをそのまま英語に直訳すると almost all + not になりますが、英語の not ... all は部分否定——「全部〜なわけではない」という別の意味に固定されています。100冊のうち5冊しか読んでいない話のつもりが、85冊は読んでいる話に化けてしまうのです。
英語では、否定を組み立てるのではなく、「ほぼゼロ」を1語で表す few・little を使います。a few books なら「2〜3冊はある」、a なしの few books なら「ほとんどゼロに近い」。この a の有無が「少しはある/ほとんどない」の分かれ目です。数えられない名詞(money・water など)には little を使います。
数の大小を表す表現を、少ない順に並べるとこうなります。
使い分け表
| 程度 | 英語表現 |
|---|---|
| 無い・ゼロ | none, no |
| ほぼ無い | few, hardly any |
| 少数 | a few, some, several |
| 多数 | a lot of, lots of, many, plenty of, quite a few |
| 非常に多数 | very many, a great(good) many, numerous |
| ほとんどすべて | most, most of, almost all, nearly all |
| すべて | all, every, each, whole |
almost all は本来この表の「ほとんどすべて」側の表現です。「ほとんど〜ない」と言いたいときは反対側の few・hardly any を選びます。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「ほとんど〜ない」を not + all で書いていないか(部分否定になってしまう)
- few(ほとんどない)と a few(少しはある)の a の有無を確認したか
- 数えられる名詞は few、数えられない名詞は little になっているか
データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「数の大小を表す表現」への照合が 147回・0.02%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。