解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けquestion・problem・issue・matter の違い|日本語の「問題」は英語では4つに分かれる
30秒でわかる
日本語の「問題」は英語では1語で言えません。答えを出す問いは question、解決すべき困った事態は problem、議論・検討する事案は issue、漠然とした「件・こと」は matter と分かれます。迷ったら「その『問題』に対して何をするのか——答えるのか、解決するのか、話し合うのか」と自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の2つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: この車はどこか故障している。
「どこか故障している」=「どこかに問題(不具合)がある」は、直すべき悪い事態なので problem です。has some problems で「どこか調子が悪い」という決まった言い方になります。
例文: この問題は議論する価値がある。
question は試験の問いや質問——「答え」を出す対象です。「議論する価値がある問題」は、答え合わせでなく話し合いの対象なので issue(または problem)を使います。
「問題」の訳し分けのミスは、よくある誤り全222タイプの中で第173位。当サービスの人手添削12年分で97回指摘されました。件数は多くありませんが、「問題=problem」の一対一暗記のままだと大人の英作文(議題・案件)で必ずつまずく型です。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
原因は、日本語の「問題」が英語の4語ぶんの守備範囲を1語でカバーしていることです。「試験の問題」「環境問題」「例の問題」「金銭問題」——日本語では全部「問題」で済むうえ、学校で最初に「問題=problem」と習うため、どの「問題」にも problem(あるいは覚えたての trouble)を当ててしまいます。
英語側は「その『問題』に何をするか」で語が決まっています。question は answer(答える)対象、problem は solve(解決する)対象、issue は discuss(議論する)対象、matter は deal with(対処する)対象——動詞とペアで覚えるのが近道です。逆に trouble は「問題」というより「困りごと・もめごと」で、数えずに使うことが多い(be in trouble・have trouble -ing)別枠の語です。
| 語 | 正体 | ペアになる動詞 | 日本語の目印 | 例 |
|---|---|---|---|---|
| question | 答えを出す問い | answer / ask | 試験の問題・質問 | answer the question(問いに答える) |
| problem | 解決すべき悪い事態 | solve / fix | 環境問題・不具合 | This car has some problems. |
| issue | 議論・検討する事案 | discuss | 議題・課題・懸案 | This issue is worth discussing. |
| matter | 漠然とした「件・こと」 | deal with | 例の件・この件 | have nothing to do with this matter(この件と関係がない) |
| trouble | 困りごと・もめごと | have / be in | トラブル・苦労 | be in trouble(困っている) |
数学の問題を「解く」と言いたくなったとき、それが計算問題(答えがある)なら question、証明すべき難問・未解決問題なら problem(math problem)——同じ教科の中でも「答える」対象か「解決する」対象かで分かれます。
こう考える——書くときの判断手順
- その「問題」に何をするかを日本語で言い直す——「答える」なら question、「解決する・直す」なら problem、「話し合う」なら issue
- 「この件」「例の件」のように、内容をぼかして指しているだけなら matter——当サービスの採点でも「君はこの件に関係がない」の「件」は matter が正解で、accident(事故)や trouble と訳すと減点です
- trouble に手が伸びたら止まる——日本語の「トラブル」につられやすい語ですが、英語の trouble は「困った状態・もめごと」。故障や議題には使いません
- 「問題ない」と言いたいときの決まり文句は No problem.——ここは problem で固定です
ここまでは同じ、ここからは別
「この問題は議論する価値がある」では、issue と problem のどちらも正解になり得ます。深刻な社会問題を議論するなら This problem is worth discussing. も通じるからです。ただし problem は「悪い事態」の響きが必ず付くので、中立に「検討すべき事案」と言いたいときは issue が安全です。一方、question だけは不可——「答えを出す問い」に限られ、議題の意味を持ちません。また、「意見・考え」のような近い抽象語にも同じ型のずれがあります(「意見」は thought より opinion が近い、など)。一対一の丸暗記でなく「その語に何をするか」で選ぶ姿勢は共通です。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「問題」を訳す前に「答える・解決する・話し合う」のどれかを決めたか
- 「この件」を accident や trouble にしていないか(漠然とした件は matter)
- trouble を「問題」の意味で使っていないか(trouble は困りごと・もめごと)
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た使い分けを、「君はこの件に関係がないから心配する必要はない。」で実際に試してみてください。「この件」を matter で書けるかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「君はこの件に関係がないから心配する必要はない。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「question, problem, trouble, issue, matter (問題)の違い」への照合が 97回・0.01%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。