解説記事 — フレーズフレーズミー

前置詞・時の表し方

前置詞 of の使い方|the idea of・kind of・a lot of——「〜の」で of が抜ける理由

30秒でわかる

of の核心は「A of B = B から切り離せない A」。B という土台から A を取り出して見せる印です。日本語の「BのA」にあたりますが、日本語では「の」を省いて名詞を直結できる場面(同じ種類の時計・たくさんの時間)が多いため、英語でも名詞をそのまま並べて of を落とすのが最頻出の誤りです。名詞のすぐ後ろに別の名詞・動名詞を続けたら「間に『の』『という』が隠れていないか?」と自問してください。

×the idea buying the book
the idea of buying the book

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 私はその本を買うのをあきらめた。

×I gave up the idea buying the book.125回
I gave up the idea of buying the book.

the idea(考え)と buying(買うこと)は同じものを指しています。「買うという考え」——この「という」にあたるのが同格の of で、名詞と動名詞を直結することはできません。

例文: これはあなたが持っているのと同じ種類の時計です。

×This is the same kind watch as yours.95回
This is the same kind of watch as yours.

the same kind of 〜 で「〜と同じ種類の」。kind(種類)という枠から watch を取り出すつなぎ目に of が要ります。type も同じで、the same type of watch です。

例文: 私は今日、遊ぶ時間がたくさんある。

×I have plenty time to play today.92回
I have plenty of time to play today.

plenty は「たくさん」という意味の名詞なので、time と直結できず plenty of time。a lot of time の of を落とす a lot time も同じ型の減点です。

第43位

前置詞 of のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第43位。当サービスの人手添削12年分で2,541回指摘されました。誤答の多くは「使い方を間違えた」のではなく「of 自体を書かなかった」ものです。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

原因は2つあります。第一に、日本語は名詞を直接くっつけられることです。「同じ種類の時計」は会話では「同じ種類ね、この時計」とも言えますし、「たくさんの時間」は「時間がたくさん」と助詞なしの感覚で言えます。名詞同士を接着剤なしで並べられる日本語の感覚のまま英語を書くと、kind watch・plenty time のような直結が生まれます。英語の名詞は、原則として別の名詞とつなぐには前置詞という接着剤が必要です。

第二に、「買うという考え」の「という」に対応する一語が思いつかないことです。ここで使うのが同格の of——A of B の A と B が同じものを指す使い方です。the idea of buying(買うこと=考え)、the great discovery of the century(世紀=その大発見の持ち場)のように、「〜という」「〜の」の両方をカバーします。

A of B = B から切り離せない A this cafe(土台 B) the manager(A) 所属: the manager of this cafe 「このカフェの店長」 your photos(全体 B) three(一部 A) 部分: three of your photos 「写真のうち3枚」 the idea buying 同格: the idea of buying 「買うという考え」
向きは3つ。B に属する A(所属)・B から取り出す A(部分)・A=B(同格)。どれも「B から切り離せない A」。

図の内容を表にするとこうなります。どの向きでも、A と B のつなぎ目に of を置きます。

向き日本語
所属・関係the manager of this cafe / the wall of my houseこのカフェの店長・私の家の壁
部分・数量three of your photos / a lot of / plenty of / kind of〜のうちの・たくさんの・〜の種類の
同格(=)the idea of buying / the discovery of the century買うという考え・世紀の大発見

こう考える——書くときの判断手順

  1. 名詞のすぐ後ろに名詞・動名詞を続けたら止まる——日本語に戻して「の」「という」「のうちの」が隠れていれば of を入れる(idea of buying / kind of watch / plenty of time)
  2. 所属・関係の「〜の」に in や on を使いたくなったら of——「このカフェ店長」は場所ではなく所属なので the manager of this cafe(× in this cafe)。「家壁」も the wall of my house(× on my house)。「〜の中で・〜の表面に」と場所を言いたいときだけ in/on です
  3. 数量の決まり文句は of 込みで一語として覚える——a lot of・lots of・plenty of・a kind of・the same kind of。of を落とした形(a lot time)は存在しません
  4. 逆に、of を足してはいけない決まった形もある——It is no use ~ing(〜しても無駄だ)に of は入らず、100 degrees Celsius も degrees of Celsius とはしません。決まり文句は形ごと覚えるのが安全です

ここまでは同じ、ここからは別

「〜の」がすべて of になるわけではありません。場所として言うなら in・on が正解です——The tables in this cafe are small.(このカフェのテーブル)は「カフェの中にある」なので in。所属・関係か、場所か、で使い分けます(in のイメージは前置詞 in の記事で扱っています)。また「〜という考え」は、the idea of buying のほかに give up trying to buy のように動詞で言い直す別解もあり、当サービスの採点ではどちらも正解です。「同じ種類の時計です」も the same kind of watch that you haveas yours の両方を正解として認めています。of が要るかどうかは、名詞を並べたかどうかで決まる——文全体の組み立てを変えて名詞の直結自体を避けるのも、立派な正解です。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「私はその本を買うのをあきらめた。」を、実際に英語で書いてみてください。the idea と buying をつなぐ同格の of がそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「私はその本を買うのをあきらめた。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「前置詞 of のイメージ(意味と使い方)」への照合が 2,541回・0.4%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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