解説記事 — フレーズフレーズミー

単語の使い分け

「できた」は could ではない?|could と was able to の使い分け

30秒でわかる

過去の「できた」が実際にやり遂げた一回の行為(開けられた・間に合った・楽しめた)なら、could ではなく was/were able to か単純過去形で書きます。could が表すのは「昔は〜する能力があった」「〜できたかもしれない」という能力・可能性で、その場での達成には使えません。迷ったら was able to——こちらはどちらの意味でも安全です。

×I could finally open the door.
I was finally able to open the door.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: あなたのおかげで楽しめました。

×I could enjoy myself thanks to you.303回
I was able to enjoy myself thanks to you.

「あなたのおかげで楽しめた」は、実際に楽しんだという一回の出来事。能力の話ではないので could は使えず、was able to(または単に I enjoyed myself)で表します。

例文: 大学で数学を学べば、この本に書いてあることが理解できるようになりますよ。

×... you'll can understand what is written in this book.88回
... you'll be able to understand what is written in this book.

will と can はどちらも助動詞で、助動詞は1文に1つしか重ねられません。「できるようになる」は will be able to で表します。

例文: 何度か試してみてついにそのドアを開けることができた。

×I could finally open the door after trying several times.42回
I was finally able to open the door after trying several times.

何度か試して「ついに開けられた」——これも一回の達成です。言い換え違い(finally の位置違いなど)を合わせると、この「ドアを開けられた」だけで200回を超えて添削されています。

第31位

can・could・be able to の使い分けのミスは、よくある誤り全222タイプの中で第31位。当サービスの人手添削12年分で3,755回指摘されました。大半は「できた」を could と書いてしまうパターンです。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

学校で「can の過去形は could」と習います。だから「できた」と見た瞬間、機械的に could に置き換えたくなる——これがこの間違いの正体です。

ところが日本語の「できた」には2つの意味が同居しています。「子どものころは速く走ることができた」(昔の能力)と、「ついにドアを開けることができた」(その場での達成)。日本語ではどちらも同じ「できた」なので区別する習慣がありませんが、英語はここを分業していて、could が引き受けるのは能力・可能性の側だけです。達成の「できた」は was able to か、can を訳さず単純過去(I opened the door.)で表します。

「〜できた」 実際にやり遂げた 一回の行為・達成 昔の能力・ 「〜できたかも」の可能性 was able to / 過去形 could × could は使えない was able to でも可 迷ったら was able to(両側で使える)
「できた」の中身で分岐する。一回の達成なら was able to か過去形、能力・可能性なら could。was able to は両方に使える安全な形。

図の内容を表にするとこうなります。

「できた」の中身使える形
一回の行為をやり遂げた(達成)was/were able to / 単純過去形I was able to open the door. / I caught the express.
昔は〜する能力があったcould / was able toI could run fast when I was a child.
〜できなかった(否定)couldn't / wasn't able toI couldn't open the door.
これから「できるようになる」will be able to(will can は不可)You'll be able to understand it.

こう考える——書くときの判断手順

  1. 「できた」はその場で実際にやり遂げた一回の出来事か——そうなら was able to、または can を訳さず単純過去形(I opened the door. で「開けられた」は伝わる)
  2. 昔からの能力や「できたのかな」という可能性の話なら could でよい(could keep their teeth clean など。was/were able to でも可)
  3. 否定の「できなかった」は couldn't でよい——「やり遂げた」という達成の意味がないので、一回の出来事でも問題ありません
  4. will・would と「できる」を重ねたくなったら be able to に切り替える(will be able to / would be able to。助動詞は2つ並べられない)

この手順は当サービスの採点基準そのままです。たとえば「何度か試してみてついにそのドアを開けることができた。」(手順1: 達成)で could open と書くと減点、「大昔の人は歯を清潔に保つことができたのかな。」(手順2: 能力への疑問)では could keep も were able to keep も正解になります。

ここまでは同じ、ここからは別

could がいつでも減点というわけではありません。仮定法の could は正しい形です——「経験があれば成し遂げられるだろう」のような現実でない話は、I could manage to accomplish the task が模範解答になります。むしろこの型では「できる」を訳し落として would だけで書くほうが減点です。また「もし乗りそこねていたら戻れなかっただろう」のような過去の仮定も、couldn't have come back と would not have been able to come back の両方が正解です。

つまり線引きは「could という単語」ではなく、現実に起きた一回の達成かどうか。現実の達成にだけ could が使えない、と覚えてください。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「何度か試してみてついにそのドアを開けることができた。」を、実際に英語で書いてみてください。「できた」を could にするかどうかが、そのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「何度か試してみてついにそのドアを開けることができた。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「can と could, be able to との違い」への照合が 3,755回・0.6%。集計 2026-08-13)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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