解説記事 — フレーズフレーズミー

冠詞と名詞の形

繰り返しの one と that の違い|同じ名詞を二度書かない英語のルール

30秒でわかる

英語は、短い間に同じ名詞を二度書くことを嫌います。二度目は代わりの語で受けるのがルールで、a +名詞の繰り返し(同じ種類の別物・どれでもいいもの)は onethe +名詞の繰り返し(特定のそのもの)は that、修飾語がつくなら the one で受けます。迷ったら「二度目の名詞に a と the のどちらを付けたくなるか?」と自問してください。

×The taller man of the two men went out first.
The taller one of the two men went out first.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 2人の男のうち、背の高い方が先に出て行った。

×The taller man of the two men went out first.146回
The taller one of the two men went out first.

文法としては通じますが、man ... men と同じ語が数語おきに二度出るのを英語は嫌います。二度目の man は one で受けるのが自然な英語です。

例文: 頂上が雪で覆われているあの山は、僕らが昨年の夏登った山です。

×That mountain whose top is covered with snow is the mountain we climbed last summer.57回
That mountain whose top is covered with snow is the one we climbed last summer.

「あの山は〜山です」と日本語では「山」が二度出ますが、英語で mountain を二度書くと減点です。「僕らが登った」という修飾語つきで特定のものを指しているので、the one で受けます。

例文: 頂上が雪で覆われているあの山は、僕らが昨年の夏登った山です。

×That mountain whose top is covered with snow is that we climbed last summer.53回
That mountain whose top is covered with snow is the one we climbed last summer.

繰り返しを避けようとして that だけを置いた形です。惜しいのですが、that が名詞の代わりをして後ろに関係詞の修飾(we climbed ...)を受けるのは、that of 〜 のような堅い書き言葉に限られます。日常の文では the one が自然です。

第133位

同じ名詞の繰り返しのミスは、よくある誤り全222タイプの中で第133位。当サービスの人手添削12年分で454回指摘されました。件数は多くありませんが、「文法は合っているのに減点される」ため自分では気づきにくい型です。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

日本語は、同じ名詞の繰り返しをまったく気にしません。「あのは、僕らが昨年の夏登ったです」「2人ののうち、背の高いが」——むしろ繰り返した方が丁寧に聞こえるくらいです。だから日本語の文を頭から順に訳していくと、二度目の「山」「男」にもそのまま mountain・man を当ててしまいます。

英語は逆で、一度出した名詞は代わりの語で受けるのが標準です(そのために代名詞という品詞があります)。ただし「どの代わりの語を使うか」が名詞の指し方で分かれるため、単純な置き換えでは済みません。分かれ目は、二度目の名詞が a 系(同じ種類なら何でもいい・別の個体でもいい)か、the 系(まさにその特定のもの)かです。a と the の感覚そのものは冠詞の記事で、this・that・the・it の指し分けはthis と that の記事で扱っています。

同じ名詞をもう一度言いたい a 系(同種の別物) the 系(特定のそれ) one that / the one a white one the taller one that of Tokyo(堅い書き言葉) the one we climbed 名詞をそのまま二度書く=減点
二度目の名詞は a 系なら one、the 系なら that(堅い文)か the one。そのまま繰り返すと減点。

図の内容を表にするとこうなります。

二度目の名詞の指し方受ける語
a 系: 同じ種類の別物・どれでもいいone(修飾語がつけば a/the +形容詞+ one)I lost my umbrella, so I bought one.(別の1本)
the 系: 特定のそのもの+修飾語つきthe one +修飾語the one we climbed last summer
the 系: of 〜 が続く堅い書き言葉that of 〜(複数なら those of 〜)The population of Tokyo is larger than that of Osaka.
the 系: まさにそれ自体(修飾語なし)itI found my umbrella and brought it home.(同じその1本)

こう考える——書くときの判断手順

  1. 書き終えた文に、同じ名詞(man と men のような形違いも含む)が二度出ていないか見る——出ていなければこのルールの出番はありません
  2. 二度目の名詞に a と the のどちらを付けたくなるか考える——a 系(同種の別物・どれでも)なら one、the 系(特定のそれ)で修飾語が続くなら the one。that +名詞で指したものをもう一度指すときも the one です(× is that we climbed → ○ is the one we climbed)
  3. one の前に所有格を直接置いていないか確かめる——your one・this artist's one は不自然で減点です。「あなたのもの」は yours、「このアーティストの歌の中で」は among this artist's songs のように具体的な名詞で言います
  4. それでも迷ったら、繰り返さずに文を短くできないか試す——Which racket is your racket? より Which racket is yours? の方が自然です

ここまでは同じ、ここからは別

one を使わない形が正解になる場合もあります。「2人の男のうち背の高い方」は、The taller of the two men のように one を省いた形も模範解答です(the +比較級+ of the two だけで「〜な方」と言えるため。当サービスの採点でも両方正解)。逆に、one を置くとかえって減点になる場面もあります——所有格の直後(× your one → ○ yours)と、水・情報のような数えられない名詞(one は数えられる名詞専用)です。数えられない名詞の繰り返しは、that of 〜 の形か、具体的な名詞の言い直しで避けます。「繰り返しは常に one で受ける」と覚えると過剰修正になるので、受け皿は one・the one・that・it・所有代名詞と複数あり、指し方で選ぶ——ここが本体です。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「2人の男のうち、背の高い方が先に出て行った。」を、実際に英語で書いてみてください。man を繰り返さずに書けるかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「2人の男のうち、背の高い方が…」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「同じものの繰り返し one と that の違い」への照合が 454回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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