解説記事 — フレーズフレーズミー

文型・語順

分詞構文の使い方|「〜して」「〜しながら」を -ing で書くときの3つの落とし穴

30秒でわかる

「〜して」「〜しながら」を -ing のかたまり(分詞構文)で書くときの原則は2つ。①分詞のかたまりは主語のそば(文頭か主語の直後)に置く——離すと近くの名詞にかかって読めてしまいます。②出来事が起きた順に並べる——「聞いて→泣きたくなった」なら Hearing the news が先。迷ったら while や when を分詞の前に付けて意味をはっきりさせるのが安全です。

×She felt like crying hearing the news.
Hearing the news, she felt like crying.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 彼女はそのニュースを聞いて泣きたい気分になった。

×She felt like crying hearing the news.212回
Hearing the news, she felt like crying.

先にニュースを聞き、それから泣きたくなった——分詞構文で「〜して」を表すときは、物事が起きた順に書きます。原因になった Hearing the news を文頭に出しましょう。

例文: 他のみんなが話をしている時に、腕を組んでじっと黙っていたじゃないか。

×You kept silent with your arms crossing when other people were talking.9回
You kept silent with your arms crossed when other people were talking.

「腕を組んだまま」は〈with+名詞+分詞〉で表しますが、腕は自分で組むのではなく(人に)組まれる側。だから過去分詞 crossed です。crossing だと腕が意思を持って組んでいることになってしまいます。

例文: アンナ(Anna)は紅茶を飲みながら夕日を眺めていました。

×Anna was looking at sunset drinking a cup of tea.8回
Anna was looking at the sunset while drinking a cup of tea.

-ing のかたまりを文末に置くと、直前の名詞 sunset にかかって「紅茶を飲んでいる夕日」のように読めてしまいます。while を付けて「〜しながら」を明示するか、Drinking tea, Anna was ... と主語のそばに置きます。

第109位

分詞構文のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第109位。当サービスの人手添削12年分で667回指摘されました。誤りは「置く位置と順序」に集中していて、特に「〜して」の順序の誤りが1パターンで212回を占めます。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

日本語の「ニュースを聞いて泣きたくなった」「紅茶を飲みながら眺めた」は、「て」「ながら」という語尾だけで動作のつながりを示し、その動作を誰がしているかは文全体の主語が自動的に引き受けます。「飲みながら」がどの語の隣にあっても、飲むのはアンナだと日本語では迷いません。

英語の -ing のかたまりにはこの仕組みがなく、置かれた位置の近くの名詞にかかるのが原則です。だから sunset の直後に drinking を置けば夕日が飲んでいるように読め、主語から離すほど意味が濁ります。日本語の語順のまま「彼女は泣きたくなった+聞いて」と後ろに足すと、順序も位置も英語の原則からずれてしまう——212回繰り返された誤りの正体はこれです。

もう1つ、日本語の「組ん」は動作(これから組む)も状態(組んだまま)も同じ形です。英語は現在分詞 crossing(している最中の動作)と過去分詞 crossed(された結果の状態)で区別するため、「腕を組んで」を crossing と書いてしまいます。

× 文末に置くと、近くの名詞にかかる Anna was looking at the sunset drinking tea. 「紅茶を飲んでいる夕日」に読める ○ 主語のそばに置くと、主語にかかる Drinking tea, Anna was looking at the sunset. 飲むのはアンナ、と一通りに決まる
-ing のかたまりは近くの名詞にかかる。主語にかけたいなら、主語のそば(文頭か直後)に置く。

図の内容を表にまとめます。

書きたい意味置く位置
〜して(それから…した)-ing のかたまり起きた順に、文頭へ(Hearing the news, she ...)
〜しながらwhile + -ingwhile で意味を明示(while drinking tea)
〜したまま(状態)with + 名詞 + 過去分詞される側の名詞+過去分詞(with your arms crossed)

こう考える——書くときの判断手順

  1. -ing のかたまりの動作主は文の主語と同じかを確認する——同じでなければ分詞構文にしない(ふつうの文2つに分ける)
  2. 同じなら、かたまりを主語のそば(文頭か主語の直後)に置く。文末に置くしかないときは、直前の名詞にかかって読めないか確かめる
  3. 「〜して」は起きた順に——原因・きっかけが先(Hearing the news, ...)。「〜しながら」は while を付けて明示する
  4. 「〜したまま」の状態なら〈with+名詞+過去分詞〉——名詞が「される側」(腕・脚)なら過去分詞(crossed/folded)

この手順は当サービスの採点基準と対応しています。分詞を主語から離れた文末に置く形・while 節で主語だけ(または be 動詞だけ)を省く形は「誤り」として減点し、順序の逆転や動作・状態の混同(crossing)も減点対象です。

ここまでは同じ、ここからは別

分詞構文そのものは誤りではなく、別解として正解になる形がたくさんあります。「何と言ってよいかわからなかったので」は Not knowing what to say, I kept silent.(否定の分詞構文)で正解。「カバンを開けっ放しで」は with his bag open でも leaving his bag open でも正解です。当サービスの採点でもいずれも認めています。

逆に、接続詞を足すと減点になる場合もあります。「テレビを見ながら家に居ます」は I will stay home watching TV ... が正解で、while watching TV とすると「見ている間だけ家にいる」という別の意味になり減点です。また、「何度か試してみて」のような単純なつなぎは、分詞構文より after や and で書く方が意図が明確——分詞構文は接続詞を省く分だけ意味が曖昧になりやすいので、当サービスの採点でも「使える場面で使う」ことを勧めています。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事の最多誤答の出どころ「彼女はそのニュースを聞いて泣きたい気分になった。」を、実際に英語で書いてみてください。「聞いて→泣きたくなった」の順序を保って -ing を置けるかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「彼女はそのニュースを聞いて泣きたい気分になった。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「よく使う分詞構文」への照合が 667回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

← 解説記事の一覧フレーズフレーズミーをはじめる