解説記事 — フレーズフレーズミー
文型・語順関係代名詞 that の使い方|that しか使えない場面・that が使えない場面
30秒でわかる
関係代名詞 that は which の代役がきく万能選手ですが、専属になる場面と出入り禁止の場面があります。先行詞に same・最上級・no・all などが付くと that が選ばれます(the same watch that you have)。逆にカンマの後(非制限用法)と前置詞の直後には that を置けません(× Japan, that ... / × with that)。そして主格の that は省略できません。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: これはあなたが持っているのと同じ種類の時計です。
先行詞に same が付くときの関係代名詞は that です(as も可)。same・最上級・no・all・only などが先行詞に付くと「まさにそれ」と強く特定する形になり、that が選ばれます。
例文: これは彼がその書類にサインしたペンです。
2文に戻すと He signed the paper with the pen. なので with が必要です。しかも that を使うとき、with は必ず後ろに残します——which なら the pen with which ... と前置詞ごと前に出せますが、with that という並びは不可だからです。
例文: 日本ほど地震が多い国はない。
country は後ろの節の主語です。主格の関係代名詞は省略できません——that が抜けると、1つの文に動詞が2つ並ぶ壊れた形になります。なお先行詞に no が付くのも、that が選ばれる典型の場面です。
関係代名詞 that のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第64位。当サービスの人手添削12年分で1,209回指摘されました。same の後で which を選ぶ誤りと、主格 that の省略の2系統に集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の連体修飾(「あなたが持っている時計」「地震が多い国」)には、関係代名詞にあたる言葉がそもそもありません。説明の文を名詞の前に置くだけで完成するので、「つなぎの語を選ぶ」「つなぎの語を必ず書く」という工程自体が日本語に存在しないのです。その結果、①which と that の選択を意識せず「物だから which」で通そうとして same の後でも which を書く、②日本語ではつなぎ無しで済むために、英語でも that を書き忘れる(主格の省略)——という2系統の誤りが生まれます。
that を選ぶか・置けるかは、次の3つの場面で決まります。
図の内容を表にするとこうなります。
| 場面 | that は使える? | 例 |
|---|---|---|
| 先行詞に same・最上級・no・all・only | ◎ that が選ばれる | the same kind of watch that you have |
| ふつうの先行詞(物) | ○ which と交代可 | the pen that/which he used |
| カンマの後(非制限用法) | × which を使う | Japan, which has been peaceful, ... |
| 前置詞の直後 | × with which か前置詞を後ろへ | the pen with which ... / the pen that ... with |
| situation など「状況」の先行詞 | × where か in which | the situation in which problems are getting worse |
which 側の守備範囲(whose との区別・前置詞の扱い・非制限用法)は姉妹記事の関係代名詞 which の記事に、where との線引きは関係副詞 where の記事にまとめています。
こう考える——書くときの判断手順
- 説明の部分を独立した1文に戻し、名詞の穴があるか確かめる——穴が名詞なら関係代名詞(that/which)。there(そこで)で言えるなら where の担当
- 先行詞に same・最上級・no・all・only が付いていたら that を選ぶ(same のときは as も可)
- カンマを打ったら that は使えない——固有名詞(Japan など)への補足説明は「カンマ+which」。カンマの要不要はカンマの記事へ
- 元の文の前置詞は that の前に出せない——with は後ろに残す(× the pen with that he signed)
- その that は後ろの節の主語か——主語なら省略できない(× There is no other country has ...)。目的語なら省略してよい
ここまでは同じ、ここからは別
that が「選ばれる」場面の多くは、実は傾向であって絶対禁止ではありません。nothing や anything が先行詞のときは that が一般的ですが、which でも通じるので減点しません(当サービスの採点でも同様)。また目的格なら that も which も省略が正解です——The church we visited is the second oldest in Germany. のように、つなぎ無しで書けます。省略できないのは主格だけ。さらに、It was this old coin that I found in the gallery.(私が見つけたのは、この古いコインでした)の that は関係代名詞とそっくりの強調構文(It is ... that)で、「〜なのは…だ」と情報を際立たせる別の顔です。形が同じでも「先行詞の説明」ではない点だけ知っておくと混乱しません。
まとめ——書いたあとのチェック
- 先行詞に same・最上級・no などが付いていたら that にしたか
- カンマの後・前置詞の直後に that を置いていないか(そこは which)
- その that/which は主語役か——主語なら省略していないか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「これはあなたが持っているのと同じ種類の時計です。」を、実際に英語で書いてみてください。same の後で that を選べるかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「これはあなたが持っているのと同じ種類の時計です。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「関係代名詞 that の意味と使い方」への照合が 1,209回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。