解説記事 — フレーズフレーズミー

文型・語順

関係代名詞 that の使い方|that しか使えない場面・that が使えない場面

30秒でわかる

関係代名詞 that は which の代役がきく万能選手ですが、専属になる場面出入り禁止の場面があります。先行詞に same・最上級・no・all などが付くと that が選ばれます(the same watch that you have)。逆にカンマの後(非制限用法)と前置詞の直後には that を置けません(× Japan, that ... / × with that)。そして主格の that は省略できません

×This is the same kind of watch which you have.
This is the same kind of watch that you have.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: これはあなたが持っているのと同じ種類の時計です。

×This is the same kind of watch which you have.228回
This is the same kind of watch that you have.

先行詞に same が付くときの関係代名詞は that です(as も可)。same・最上級・no・all・only などが先行詞に付くと「まさにそれ」と強く特定する形になり、that が選ばれます。

例文: これは彼がその書類にサインしたペンです。

×This is the pen that he signed the paper.46回
This is the pen that he signed the paper with.

2文に戻すと He signed the paper with the pen. なので with が必要です。しかも that を使うとき、with は必ず後ろに残します——which なら the pen with which ... と前置詞ごと前に出せますが、with that という並びは不可だからです。

例文: 日本ほど地震が多い国はない。

×There is no other country has as many earthquakes as Japan.44回
There is no other country that has as many earthquakes as Japan.

country は後ろの節の主語です。主格の関係代名詞は省略できません——that が抜けると、1つの文に動詞が2つ並ぶ壊れた形になります。なお先行詞に no が付くのも、that が選ばれる典型の場面です。

第64位

関係代名詞 that のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第64位。当サービスの人手添削12年分で1,209回指摘されました。same の後で which を選ぶ誤りと、主格 that の省略の2系統に集中しています。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

日本語の連体修飾(「あなたが持っている時計」「地震が多い」)には、関係代名詞にあたる言葉がそもそもありません。説明の文を名詞の前に置くだけで完成するので、「つなぎの語を選ぶ」「つなぎの語を必ず書く」という工程自体が日本語に存在しないのです。その結果、①which と that の選択を意識せず「物だから which」で通そうとして same の後でも which を書く、②日本語ではつなぎ無しで済むために、英語でも that を書き忘れる(主格の省略)——という2系統の誤りが生まれます。

that を選ぶか・置けるかは、次の3つの場面で決まります。

○ that が選ばれる(same・no など) the same watch that you have × カンマの後には置けない Japan, that → which に交代 × 前置詞の直後には置けない with that → with which か、with を後ろへ
same などの後は that が選ばれる。カンマの後と前置詞の直後は that 禁止で、which に交代する。

図の内容を表にするとこうなります。

場面that は使える?
先行詞に same・最上級・no・all・only◎ that が選ばれるthe same kind of watch that you have
ふつうの先行詞(物)○ which と交代可the pen that/which he used
カンマの後(非制限用法)× which を使うJapan, which has been peaceful, ...
前置詞の直後× with which か前置詞を後ろへthe pen with which ... / the pen that ... with
situation など「状況」の先行詞× where か in whichthe situation in which problems are getting worse

which 側の守備範囲(whose との区別・前置詞の扱い・非制限用法)は姉妹記事の関係代名詞 which の記事に、where との線引きは関係副詞 where の記事にまとめています。

こう考える——書くときの判断手順

  1. 説明の部分を独立した1文に戻し、名詞の穴があるか確かめる——穴が名詞なら関係代名詞(that/which)。there(そこで)で言えるなら where の担当
  2. 先行詞に same・最上級・no・all・only が付いていたら that を選ぶ(same のときは as も可)
  3. カンマを打ったら that は使えない——固有名詞(Japan など)への補足説明は「カンマ+which」。カンマの要不要はカンマの記事
  4. 元の文の前置詞は that の前に出せない——with は後ろに残す(× the pen with that he signed)
  5. その that は後ろの節の主語か——主語なら省略できない(× There is no other country has ...)。目的語なら省略してよい

ここまでは同じ、ここからは別

that が「選ばれる」場面の多くは、実は傾向であって絶対禁止ではありません。nothing や anything が先行詞のときは that が一般的ですが、which でも通じるので減点しません(当サービスの採点でも同様)。また目的格なら that も which も省略が正解です——The church we visited is the second oldest in Germany. のように、つなぎ無しで書けます。省略できないのは主格だけ。さらに、It was this old coin that I found in the gallery.(私が見つけたのは、この古いコインでした)の that は関係代名詞とそっくりの強調構文(It is ... that)で、「〜なのは…だ」と情報を際立たせる別の顔です。形が同じでも「先行詞の説明」ではない点だけ知っておくと混乱しません。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「これはあなたが持っているのと同じ種類の時計です。」を、実際に英語で書いてみてください。same の後で that を選べるかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「これはあなたが持っているのと同じ種類の時計です。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「関係代名詞 that の意味と使い方」への照合が 1,209回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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