解説記事 — フレーズフレーズミー
前置詞・時の表し方前置詞 from のイメージ|graduate from・resign from——「〜を」と訳す動詞で from が抜ける理由
30秒でわかる
from の核心は「起点」——そこを出発点にして離れていく矢印の根元を指す印です。come from America(アメリカから来た=出身)だけでなく、graduate from・resign from・be different from のように、「そこから離れる・そこと分かれる」動きにはすべて from が要ります。日本語がこれらを「大学を卒業する」「仕事を辞める」と「を」で言うため、英語でも目的語を直結して from を落とすのが最頻出の誤りです。
まず、実際の間違いを見てください
次の2つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 5日後に大学を卒業する予定です。
graduate は自動詞で、目的語を直接続けられません。「大学から卒業していく」と考えて、起点の from でつなぎます。
例文: 私の友人が突然仕事を辞めた。
「〜を辞職する」は resign from 〜。仕事という持ち場を起点に、そこから離れていくイメージです。ここも日本語は「仕事を」ですが、英語は from が必要です。
前置詞 from のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第80位。当サービスの人手添削12年分で1,020回指摘されました。誤答のほとんどは from の「使い方」を間違えたのではなく、日本語の「〜を」につられて from 自体を書かなかったものです。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
原因は、日本語が「離れる」動きを「を」で言えることです。「大学を卒業する」「仕事を辞める」「家を出る」——どれも助詞は「を」で、目的語を取る他動詞の文とまったく同じ形をしています。この感覚のまま英語を書くと、graduate the university・resign his job のような直結が生まれます。
英語の側から見ると、graduate も resign も「離れていく」動き自体を表す自動詞です。動きだけでは「どこから」が言えないので、出発点を from で名指しします。日本語の「を」が隠している「〜から」を復元するのがコツです。実際、「卒業する」を「大学から巣立つ」、「辞める」を「職から退く」と言い換えれば、日本語でも from の感覚が見えてきます。
図の内容を表にするとこうなります。どの用法でも「そこが出発点」という一点は変わりません。
| 用法 | 例 | 日本語 |
|---|---|---|
| 出身・出どころ | a friend from America / choose from this album | アメリカ出身の友達・このアルバムの中から選ぶ |
| 分離(〜を離れる) | graduate from / resign from / suffer from a cold | 〜を卒業する・辞職する・風邪に苦しむ |
| 区別・距離 | be different from 〜 | 〜と異なる |
| 範囲・起点→終点 | from person to person / from Monday to Friday | 人によって・月曜から金曜まで |
suffer from a cold(風邪に苦しむ)も同じ仲間です。風邪という出どころから苦しみが来る、と考えると from の位置が納得できます。
こう考える——書くときの判断手順
- 日本語の「〜を」を「〜から」に言い換えられるか確かめる——「大学を卒業する=大学から巣立つ」「仕事を辞める=職から退く」。言い換えられたら from を入れる合図です
- 出身・出どころは from——「アメリカ出身の友達」は a friend from America。「の」につられて of、「〜に住んでいる」の連想で in を使うのは誤りです
- 「〜と異なる」は different from で1セット——by や with ではなく from。「あちらとこちらに距離がある」イメージです
- 「A によって違う」は from A to A(単数形)——「人によって」は from person to person。from people to people とは言いません。起点も終点も「1人」の単位で数えます
ここまでは同じ、ここからは別
from が要るのは「離れる」動きの動詞であって、「を」の動詞すべてではありません。quit は他動詞なので quit his job と直結するのが正解で、当サービスの「仕事を辞めた」の模範解答も quit を使っています——resign を選んだときだけ from が要る、という使い分けです。同じく leave も他動詞で、leave the office と直結します。また「〜に頼まれた」を be asked from とするのは行き過ぎです——動作の主を表すのは受動態の by で、be asked by my friend が正解(from だと「友人から何かを預かる」ようなニュアンスにずれます。受動態の形は受動態の記事で扱っています)。graduate は口語では from を省く言い方も聞かれますが、試験・添削では graduate from が標準です(詳しくはgraduate の記事へ)。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「〜を卒業する・辞める」を動詞+目的語で直結していないか(graduate from / resign from)
- 出身・出どころの「〜の・〜から」を of や in と書いていないか(from America)
- 「人によって」は from person to person(単数形)になっているか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「私の友人が突然仕事を辞めた。」を、実際に英語で書いてみてください。resign を選んだときに from を添えられるかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「私の友人が突然仕事を辞めた。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「前置詞 from のイメージ(意味と用法)」への照合が 1,020回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。