解説記事 — フレーズフレーズミー
前置詞・時の表し方within と in の違い|「5年以内に」は within——in five years は「5年後」
30秒でわかる
時間を表すとき、in five years は「(今から)5年後に」、within five years は「5年以内に」です。in はその時間が経過した「先の一点」を指し、within はその時間の枠の「内側ならいつでも」を指します。日本語の「5年で」「5年のうちに」を英語にするときは、締め切りの意識(それより早くてもよい)があるなら withinと覚えてください。
まず、実際の間違いを見てください
次の2つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 私は5年以内にマイホームを買うつもりです。
in five years だと「5年たったら(=5年後に)」という意味になります。「5年以内に」——それより早くてもよい、という意味なら within を使います。
例文: 大会までに100メートルを12秒以内で走ることを約束します。
in twelve seconds は「12秒(かけて)で走る」。「12秒を切る=12秒以内」と言いたいときは within twelve seconds です。ちなみに「大会までに」の by は期限を表す別の前置詞で、こちらは正しく使えています。
within と in の取り違えは、よくある誤り全222タイプの中で第101位。当サービスの人手添削12年分で743回指摘されました。一語の違いで「以内」が「〜後」に変わってしまう、意味のずれが大きいミスです。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「5年で買う」「5年のうちに買う」「5年以内に買う」は、どれも助詞まわりの小さな違いで、話し手の頭の中では同じ計画です。ところが英語は、時間を「経過した先の一点」と見るか「枠の内側」と見るかで前置詞を分けます。
- in five years = 5年という時間が流れ切った、その先の時点で(=5年後に)
- within five years = 5年という枠の内側のどこかで(=5年以内に。明日でもよい)
「〜で」「〜後」「〜以内」の対応が一対一でないため、いちばん見慣れた in をとりあえず置いてしまう——これがこの誤りの正体です。しかも in five years は文としては完全に正しい英語なので、書いた本人は気づけません。意味だけが「5年たってから買う」にずれます。
図の内容を表にするとこうなります。
| 表現 | 意味 | 日本語の目印 |
|---|---|---|
| within five years | 5年の枠の内側のどこかで | 「以内に」「〜のうちに」(早くてもよい) |
| in five years | 5年が経過した時点で | 「5年後に」「5年たったら」 |
| by next year | その期限までに(動作の締め切り) | 「〜までに」(期限が時点で示される) |
within と by はどちらも「締め切り」の感覚ですが、後ろに置くものが違います——within は長さ(five years・twelve seconds)、by は時点(next year・the competition)。「大会までに12秒以内で」の例文では、by the competition(時点)と within twelve seconds(長さ)が1文の中で分業しています。by の詳しい使い分けはby と until の記事へ。また「5日後に卒業する」のように未来の「〜後」を正しく in で言う話はin・later・after の記事で扱っています。この記事の誤りはその裏返し——「〜後」でないもの(以内)に in を使ってしまうパターンです。
こう考える——書くときの判断手順
- 時間の語(5年・12秒・1週間)の前に前置詞を置くとき、「それより早くてもよいか」を自問する——早くてもよい(締め切り感覚)なら within
- 「ちょうどその時間がたった先」の話なら in——I'll be back in ten minutes.(10分後に戻ります)
- 後ろに置くのが長さでなく時点(明日・9時・大会)なら、within でなく by——by tomorrow(明日までに)
- 書き終えたら和文に戻って「以内」「うちに」の字があるか見る——あれば in のままにしない
ここまでは同じ、ここからは別
in five years が常に×というわけではありません。会話の文脈によっては in が「〜以内」に近く使われることもあり、当サービスの採点でも問題によっては誤りでなく軽い減点(減点1)にとどめる判定があります。ただし「以内」を明示したい英作文では within five years の方が誤解の余地がなく、試験でも安全です。逆に、「以内」を英語にしようとして less than in five years のような合成表現を作るのは不自然で、こちらは明確に減点されます(less than は数量の比較に使う表現で、時の前置詞の代わりにはなりません)。「以内」は within の一語で足ります。
まとめ——書いたあとのチェック
- 和文に「以内」「〜のうちに」があるのに in を書いていないか(→ within)
- in +時間の長さは「〜後に」の意味になっていて、それで合っているか
- within の後ろは長さ、by の後ろは時点になっているか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「大会までに100メートルを12秒以内で走ることを約束します。」を、実際に英語で書いてみてください。「12秒以内」を within で言えるか、「大会までに」の by と使い分けられるかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「大会までに100メートルを12秒以内で…」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「within と in の違い(以内に、~後に)」への照合が 743回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。