解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けalthough・though・but の違い|「〜だけれども」の英語と、いっしょに使えない理由
30秒でわかる
「〜だけれども」は、although / though(従属接続詞=おまけの節の頭に付く)か but(等位接続詞=2つの文の真ん中に置く)で表します。働きが違うだけで意味はほぼ同じなので、1つの文にどちらか1つだけ。Although 〜, but ... と両方入れるのは誤りです。Although の節を先に置いたら、節の終わりにカンマを忘れずに。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 彼は学校で一番厳しい先生だったが、みんなに好かれていた。
Although の節(従属節)を文の前半に置いたときは、節の終わりにカンマが必要です。カンマがないと「どこまでが Although のかたまりか」の切れ目が読み手に伝わりません。
例文: 自分よりずっと年下だけれども、私は彼女のことを尊敬している。
but は前から順に「(尊敬している)が、(年下だ)」と流れます。日本語は「年下だけれども、尊敬している」——「けれども」が付くのは「年下」の側です。「〜だけれども」の節に印を付けられるのは though / although だけです。
例文: 自分よりずっと年下だけれども、私は彼女のことを尊敬している。
「〜だけれども」の意味で節を作るときは、though をその節の頭に置きます。文末の though は話し言葉で「〜なんだけどね」と補足する別の使い方(She is much younger than me, though.)で、節と節をつなぐ位置には置けません。
although / though / but の使い方のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第75位。当サービスの人手添削12年分で1,059回指摘されました。誤答の大半は「Although 節の後のカンマ落とし」に集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「けれども」「が」は、前の節のおしりに付く接続助詞です。「年下だけれども、尊敬している」——どの節に付いているかが助詞の位置で見えるので、切れ目を記号で示す必要がありません。
英語では同じ逆接を2種類の道具で分業しています。although / though は日本語の「けれども」に近く、「おまけ(従属節)」の頭に付く道具。but は2つの対等な文を真ん中でつなぐ道具で、「(前半)。しかし(後半)」の「しかし」に近い働きです。日本語の感覚では「けれども=but」と1対1で覚えてしまいがちですが、but は節の頭に付けられないので、「年下だけれども」の側に印を付けたいときは though / although に持ち替える必要があります。また日本語にはカンマの義務がないため、Although 節を前に置いたときの「切れ目のカンマ」が抜けやすい——これがこのタグで最多の減点です。
図の内容を表にするとこうなります。
| 語 | 置く場所 | 形 | 注意 |
|---|---|---|---|
| although / though | 「〜だけれども」の節の頭 | Although 〜, 主節. / 主節 though 〜. | 節が先のときはカンマ必須 |
| even though | 同上(強調) | Even though 〜, 主節. | 「〜にもかかわらず」。事実に使う |
| but | 2つの文の真ん中 | 文1, but 文2. | 前から「〜だが、…」の流れ。although と併用しない |
| 文末の though | 文のおしり | 主張. 〜, though. | 話し言葉の補足「〜なんだけどね」 |
カンマの打ち方全般はカンマの記事で、文をピリオドで切るか接続詞でつなぐかの判断はピリオドの記事で詳しく扱っています。
こう考える——書くときの判断手順
- 日本語の「けれども」がどちらの節に付いているかを見る——「年下だけれども、尊敬している」なら「年下」の節がおまけ。その節の頭に though / although を置く。前から「〜だが、…」と流したいなら but で真ん中をつなぐ
- 逆接の印は1文に1つだけ——Although で始めたら、後半に but を足さない(× Although 〜, but ...)。逆に but でつないだ文の前半に although を付けない
- Although / Though の節を先に置いたら、節の終わりにカンマを打つ(Although 〜 school, he was ...)。主節が先なら不要(He was liked by everyone though 〜.)
- 逆接以外に化けていないか確認する——「〜しなければ」の unless(条件)や、「たとえ〜でも」の even if(未確定の仮定)は別物。実際に起きていることへの「〜にもかかわらず」は even though / although を使う
ここまでは同じ、ここからは別
- 「厳しい先生だったが、好かれていた」は but 型(..., but he was liked by everyone.)も Though 型(Though 〜, he was loved by everyone.)も正解です。当サービスの採点でも両方を模範解答にしています。どちらの道具を選ぶかは自由——選んだら形のルール(カンマ・1文1つ)に従う、が本体です。
- even though と even if は別物です。「この地図を見ても、どこに行ったらよいかわからない」は実際に地図を見ている話なので even though。even if は「たとえ(万が一)〜だとしても」と、まだ起きていない仮定に使います(I don't think it will rain, but even if it should rain, I will go out.)。
- 文末の though(She is much younger than me, though.)は話し言葉の補足として正しい英語です。誤りなのは、文末位置のまま次の節をつなごうとする形(× 〜 though, I respect her.)だけです。
まとめ——書いたあとのチェック
- 逆接の印は1文に1つか(Although と but を併用していないか)
- Although / Though の節が先のとき、節の終わりにカンマを打ったか
- 「けれども」が付く側の節に though / although を置いたか(but で代用していないか)
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「彼は学校で一番厳しい先生だったが、みんなに好かれていた。」を、実際に英語で書いてみてください。but 型・Though 型どちらでも書ける問題で、Although 節のカンマがそのまま試されます。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「彼は学校で一番厳しい先生だったが…」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「although, though, but の違い(~だけれども、しかし)」への照合が 1,059回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。