解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分け「焼く」の英語|burn・bake・roast・grill・broil の違いと使い分け
30秒でわかる
日本語の「焼く」は1語ですが、英語は何を・どうやって焼くかで動詞を選びます。肉を火で焼くなら grill(網・鉄板)か roast(オーブン)。bake はパンやケーキ専用で、burn は「燃やす・焦がす」——食べるために焼く意味にはなりません。迷ったら「その食材、パン屋さんの窯か?」と自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 私は昨日肉を焼いた。
bake はパンやケーキを焼くときの動詞です。肉を焼く場合は grill や roast を使います。この問題でいちばん多い誤りがこれでした。
例文: 私は昨日肉を焼いた。
cook は「調理する・料理する」で、煮ても炒めても cook。「焼いた」と言いたいなら grill や roast で調理法まで伝えます。
例文: 私は昨日肉を焼いた。
burn は「燃やす・焦がす」。I burned meat. だと「肉を焦がして(燃やして)しまった」という失敗の報告に聞こえます。食べるために焼くなら grill です。
「焼く」の動詞選びのミスは、よくある誤り全222タイプの中で第93位。当サービスの人手添削12年分で816回指摘されました。誤りのほとんどが「肉に bake を使う」の一点に集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語は「パンを焼く」「肉を焼く」「魚を焼く」「家が焼ける」まで、ぜんぶ「焼く」の1語でまかなえます。つまり日本語の頭の中には「焼く」という大きな引き出しが1つしかありません。ところが英語は、道具(窯か・網か・オーブンか)と食材で引き出しを分けています。この分け方が日本語に存在しないため、辞書で最初に見つけた bake や、火のイメージから連想した burn を、そのまま肉に使ってしまうのです。
とくに bake は「(お菓子を)ベイクする」というカタカナ語で「焼く=bake」と覚えてしまいやすく、実測でも誤答の最多パターンでした。
使い分けの全体像——道具と食材で選ぶ
| 動詞 | 道具・火の当て方 | 典型的な食材 |
|---|---|---|
| grill | 焼き網・鉄板で、火を近づけて焼く | 肉・魚・野菜(焼肉・バーベキュー) |
| roast | オーブンや直火で、じっくり火を通す | かたまり肉・鶏の丸焼き・豆 |
| bake | オーブンの中の熱気で焼く | パン・ケーキ・クッキー |
| broil | 上からの強い火であぶる(主にアメリカ英語) | 肉・魚 |
| burn | 「焼く」ではなく「燃やす・焦がす」 | 落ち葉・ごみ、失敗して焦げた料理 |
ポイントは3つです。
- grill と roast が「肉を焼く」の主役。網や鉄板で焼くイメージなら grill、オーブンでかたまりをじっくりなら roast。「私は昨日肉を焼いた」のような文では、どちらを使っても正解です
- bake と roast は同じオーブンでも食材で分かれる。パン・ケーキなら bake、肉なら roast。baked chicken という言い方も実在しますが、和文英訳で「肉を焼いた」に bake を選ぶと減点対象です
- burn だけ仲間はずれ。調理の動詞ではなく「燃やす・焦がす」。I burned the toast. は「トーストを焦がした」という失敗談です
なお、パンを「トースターで焼き直す」ときは toast という別の動詞を使います(toast は焼き色をつける、bake は生地から焼き上げる)。
こう考える——書くときの判断手順
- それは食べるために焼く話か?——違う(燃やす・焦がす)なら burn。食べるためなら burn は使わない
- 食材はパン・ケーキ・クッキーか?——そうなら bake
- それ以外(肉・魚・野菜)なら、網・鉄板なら grill、オーブンでじっくりなら roast。場面がどちらか決められない和文なら、grill・roast のどちらを書いても正解になる
- 調理法をぼかして「料理した」とだけ言いたいなら cook——ただし「焼いた」と指定された和文英訳で cook と書くと、意味が広すぎて減点される
ここまでは同じ、ここからは別
「私は昨日肉を焼いた」では、I grilled meat. も I roasted meat. も正解です(当サービスの採点でも両方可。道具が和文に書かれていない以上、どちらの調理法も成り立つため)。I cooked a steak. のように具体的な料理名に置き換えた別解も認められます——cook が減点されるのは「肉を焼いた」をそのまま I cooked meat. とした場合で、「ステーキを作った」という言い換えは自然な英語だからです。また broil は grill とほぼ同じ意味のアメリカ英語で、これも誤りではありません。
ちなみにこの例文では meat を無冠詞で使います。「a meat・meats と書いて冠詞や複数形で減点される」誤りも実際に多く見られました。数えられない名詞の扱いは冠詞・複数形の記事で、yesterday と過去形の組み合わせは過去形の記事で扱っています。
まとめ——書いたあとのチェック
- 食べるために焼く話に burn を使っていないか(burn は「燃やす・焦がす」)
- 肉・魚に bake を使っていないか(bake はパン・ケーキ専用)
- 「焼いた」と指定されているのに cook でぼかしていないか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「私は昨日肉を焼いた。」を、実際に英語で書いてみてください。「焼く」の動詞選びがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「私は昨日肉を焼いた。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「burn, bake, roast, grill, broilの違い」への照合が 816回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。