解説記事 — フレーズフレーズミー

単語の使い分け

「焼く」の英語|burn・bake・roast・grill・broil の違いと使い分け

30秒でわかる

日本語の「焼く」は1語ですが、英語は何を・どうやって焼くかで動詞を選びます。肉を火で焼くなら grill(網・鉄板)か roast(オーブン)bake はパンやケーキ専用で、burn は「燃やす・焦がす」——食べるために焼く意味にはなりません。迷ったら「その食材、パン屋さんの窯か?」と自問してください。

×I baked meat yesterday.
I grilled meat yesterday.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 私は昨日肉を焼いた。

×I baked meat yesterday.328回
I grilled meat yesterday.

bake はパンやケーキを焼くときの動詞です。肉を焼く場合は grill や roast を使います。この問題でいちばん多い誤りがこれでした。

例文: 私は昨日肉を焼いた。

×I cooked meat yesterday.171回
I grilled meat yesterday.

cook は「調理する・料理する」で、煮ても炒めても cook。「焼いた」と言いたいなら grill や roast で調理法まで伝えます。

例文: 私は昨日肉を焼いた。

×I burned meat yesterday.97回
I grilled meat yesterday.

burn は「燃やす・焦がす」。I burned meat. だと「肉を焦がして(燃やして)しまった」という失敗の報告に聞こえます。食べるために焼くなら grill です。

第93位

「焼く」の動詞選びのミスは、よくある誤り全222タイプの中で第93位。当サービスの人手添削12年分で816回指摘されました。誤りのほとんどが「肉に bake を使う」の一点に集中しています。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

日本語は「パンを焼く」「肉を焼く」「魚を焼く」「家が焼ける」まで、ぜんぶ「焼く」の1語でまかなえます。つまり日本語の頭の中には「焼く」という大きな引き出しが1つしかありません。ところが英語は、道具(窯か・網か・オーブンか)と食材で引き出しを分けています。この分け方が日本語に存在しないため、辞書で最初に見つけた bake や、火のイメージから連想した burn を、そのまま肉に使ってしまうのです。

とくに bake は「(お菓子を)ベイクする」というカタカナ語で「焼く=bake」と覚えてしまいやすく、実測でも誤答の最多パターンでした。

使い分けの全体像——道具と食材で選ぶ

動詞道具・火の当て方典型的な食材
grill焼き網・鉄板で、火を近づけて焼く肉・魚・野菜(焼肉・バーベキュー)
roastオーブンや直火で、じっくり火を通すかたまり肉・鶏の丸焼き・豆
bakeオーブンの中の熱気で焼くパン・ケーキ・クッキー
broil上からの強い火であぶる(主にアメリカ英語)肉・魚
burn「焼く」ではなく「燃やす・焦がす」落ち葉・ごみ、失敗して焦げた料理

ポイントは3つです。

なお、パンを「トースターで焼き直す」ときは toast という別の動詞を使います(toast は焼き色をつける、bake は生地から焼き上げる)。

こう考える——書くときの判断手順

  1. それは食べるために焼く話か?——違う(燃やす・焦がす)なら burn。食べるためなら burn は使わない
  2. 食材はパン・ケーキ・クッキーか?——そうなら bake
  3. それ以外(肉・魚・野菜)なら、網・鉄板なら grill、オーブンでじっくりなら roast。場面がどちらか決められない和文なら、grill・roast のどちらを書いても正解になる
  4. 調理法をぼかして「料理した」とだけ言いたいなら cook——ただし「焼いた」と指定された和文英訳で cook と書くと、意味が広すぎて減点される

ここまでは同じ、ここからは別

「私は昨日肉を焼いた」では、I grilled meat. も I roasted meat. も正解です(当サービスの採点でも両方可。道具が和文に書かれていない以上、どちらの調理法も成り立つため)。I cooked a steak. のように具体的な料理名に置き換えた別解も認められます——cook が減点されるのは「肉を焼いた」をそのまま I cooked meat. とした場合で、「ステーキを作った」という言い換えは自然な英語だからです。また broil は grill とほぼ同じ意味のアメリカ英語で、これも誤りではありません。

ちなみにこの例文では meat を無冠詞で使います。「a meat・meats と書いて冠詞や複数形で減点される」誤りも実際に多く見られました。数えられない名詞の扱いは冠詞・複数形の記事で、yesterday と過去形の組み合わせは過去形の記事で扱っています。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「私は昨日肉を焼いた。」を、実際に英語で書いてみてください。「焼く」の動詞選びがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「私は昨日肉を焼いた。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「burn, bake, roast, grill, broilの違い」への照合が 816回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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