解説記事 — フレーズフレーズミー

単語の使い分け

grow と raise の違い|「子供を育てる」を grow up と書いてはいけない理由

30秒でわかる

「育てる」は、育てる相手で動詞が決まります。子供・動物なら raise(または bring up)植物・髪など「生えるもの」なら grow です。そして grow up は「(子供が)成長する」——主語は育つ側であって、親が子供を grow up することはできません。迷ったら「主語は育てる側か、育つ側か?」と自問してください。

×It is hard to grow up children.
It is hard to raise children.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 子供を育てるのは大変だ。

×It is hard to grow up children.89回
It is hard to bring up children.

grow up は「(子供が)成長する・大人になる」。主語が育つ側の表現で、「(大人が子供を)育てる」の意味では使えません。「育てる」は bring up か raise です。

例文: 子供を育てるのは大変だ。

×It is hard to grow children.44回
It is hard to raise children.

up を外しても解決しません。grow が育てる相手は植物や髪の毛など「生えるもの」。子供や動物など「動くもの」を育てるのは raise です。

例文: 子供を育てるのは大変だ。

×It is hard to raise up a child.35回
It is hard to raise a child.

raise は単独で「育てる」まで言えるので、up は不要です。grow up の up につられて足してしまう定番のミスです。

第112位

grow と raise の混同は、よくある誤り全222タイプの中で第112位。当サービスの人手添削12年分で624回指摘されました。順位は中位ですが、「子供を育てる」というありふれた一文で起きるため、書く機会そのものが多い間違いです。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

日本語の「育つ/育てる」は同じ語幹で、「子供が育つ」「子供を育てる」と助詞を変えるだけで主語の側を切り替えられます。しかも「育てる」は相手が子供でも花でも髪でも同じ一語です。英語はここを2軸で分業しています。

1つめの軸は主語がどちら側か。「育つ」(育つ側が主語)は grow up、「育てる」(育てる側が主語)は raise/bring up と、動詞そのものが替わります。単語帳で「grow up=育つ・成長する」を「育てる」と混ぜて覚えてしまうと、I grew up in Aomori.(私は青森で育った)の記憶のまま grow up children と書いてしまう——これが最多の誤答パターンです。

2つめの軸は育てる相手が何か。raise が育てるのは子供・動物など「動くもの」、grow が育てるのは植物・髪の毛など「生えるもの」です。

○ 育つ(子供が主語) 子供 grow up I grew up in Aomori.(自分が育った) ○ 育てる(親が主語・子供は目的語) raise / bring up 子供 × 親 + grow up + 子供 grow up は目的語をとれない=「育てる」には使えない
grow up は育つ側(子供)が主語。育てる側(親)が主語のときは raise か bring up に動詞ごと替える。

図の内容を表にするとこうなります。

言いたいこと使う動詞
(子供が)育つ・成長するgrow upI grew up in Aomori.
(親が)子供・動物を育てるraise / bring upIt is hard to raise children.
(人が)植物を育てる・栽培するgrowMy father grows tomatoes.
髪・ひげを伸ばすgrowHe is growing a beard.

覚え方は添削者の言葉をそのまま借ります——raise が育てるのは「動くもの」、grow が育てるのは「生えるもの」

こう考える——書くときの判断手順

  1. 主語は育てる側か、育つ側かを確かめる——「私は青森で育った」なら育つ側が主語なので grow up。「子供を育てる」なら育てる側が主語なので次へ
  2. 育てる相手は動くもの(子供・動物)か、生えるもの(植物・髪)か——動くものなら raise(または bring up)、生えるものなら grow
  3. raise に up を足していないか見る——raise 単独で「育てる」まで完結。up は不要
  4. 「育った」の側では逆に up の落とし忘れに注意——grow だけだと単に「大きくなる」。「生まれ育った」は was born and grew up

ここまでは同じ、ここからは別

「子供を育てる」は raise と bring up のどちらも正解です(当サービスの採点でも両方を模範解答にしています)。傾向として raise はアメリカ英語、bring up はイギリス英語でよく使われますが、どちらを書いても減点はありません。また grow up 自体は誤りの素ではなく、子供の側を主語にすれば正しい英語です——Aomori is the place where I was born and grew up. は正解。誤りになるのは、grow up の後ろに目的語(children)を置いて「育てる」と言おうとしたときだけです。なお、「育てる」を take care of(世話をする)で言い換えると意味がずれて減点対象になります。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「子供を育てるのは大変だ。」を、実際に英語で書いてみてください。grow up と raise の使い分けがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「子供を育てるのは大変だ。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「grow, raise の違い(育てる)」への照合が 624回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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