解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けgrow と raise の違い|「子供を育てる」を grow up と書いてはいけない理由
30秒でわかる
「育てる」は、育てる相手で動詞が決まります。子供・動物なら raise(または bring up)、植物・髪など「生えるもの」なら grow です。そして grow up は「(子供が)成長する」——主語は育つ側であって、親が子供を grow up することはできません。迷ったら「主語は育てる側か、育つ側か?」と自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 子供を育てるのは大変だ。
grow up は「(子供が)成長する・大人になる」。主語が育つ側の表現で、「(大人が子供を)育てる」の意味では使えません。「育てる」は bring up か raise です。
例文: 子供を育てるのは大変だ。
up を外しても解決しません。grow が育てる相手は植物や髪の毛など「生えるもの」。子供や動物など「動くもの」を育てるのは raise です。
例文: 子供を育てるのは大変だ。
raise は単独で「育てる」まで言えるので、up は不要です。grow up の up につられて足してしまう定番のミスです。
grow と raise の混同は、よくある誤り全222タイプの中で第112位。当サービスの人手添削12年分で624回指摘されました。順位は中位ですが、「子供を育てる」というありふれた一文で起きるため、書く機会そのものが多い間違いです。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「育つ/育てる」は同じ語幹で、「子供が育つ」「子供を育てる」と助詞を変えるだけで主語の側を切り替えられます。しかも「育てる」は相手が子供でも花でも髪でも同じ一語です。英語はここを2軸で分業しています。
1つめの軸は主語がどちら側か。「育つ」(育つ側が主語)は grow up、「育てる」(育てる側が主語)は raise/bring up と、動詞そのものが替わります。単語帳で「grow up=育つ・成長する」を「育てる」と混ぜて覚えてしまうと、I grew up in Aomori.(私は青森で育った)の記憶のまま grow up children と書いてしまう——これが最多の誤答パターンです。
2つめの軸は育てる相手が何か。raise が育てるのは子供・動物など「動くもの」、grow が育てるのは植物・髪の毛など「生えるもの」です。
図の内容を表にするとこうなります。
| 言いたいこと | 使う動詞 | 例 |
|---|---|---|
| (子供が)育つ・成長する | grow up | I grew up in Aomori. |
| (親が)子供・動物を育てる | raise / bring up | It is hard to raise children. |
| (人が)植物を育てる・栽培する | grow | My father grows tomatoes. |
| 髪・ひげを伸ばす | grow | He is growing a beard. |
覚え方は添削者の言葉をそのまま借ります——raise が育てるのは「動くもの」、grow が育てるのは「生えるもの」。
こう考える——書くときの判断手順
- 主語は育てる側か、育つ側かを確かめる——「私は青森で育った」なら育つ側が主語なので grow up。「子供を育てる」なら育てる側が主語なので次へ
- 育てる相手は動くもの(子供・動物)か、生えるもの(植物・髪)か——動くものなら raise(または bring up)、生えるものなら grow
- raise に up を足していないか見る——raise 単独で「育てる」まで完結。up は不要
- 「育った」の側では逆に up の落とし忘れに注意——grow だけだと単に「大きくなる」。「生まれ育った」は was born and grew up
ここまでは同じ、ここからは別
「子供を育てる」は raise と bring up のどちらも正解です(当サービスの採点でも両方を模範解答にしています)。傾向として raise はアメリカ英語、bring up はイギリス英語でよく使われますが、どちらを書いても減点はありません。また grow up 自体は誤りの素ではなく、子供の側を主語にすれば正しい英語です——Aomori is the place where I was born and grew up. は正解。誤りになるのは、grow up の後ろに目的語(children)を置いて「育てる」と言おうとしたときだけです。なお、「育てる」を take care of(世話をする)で言い換えると意味がずれて減点対象になります。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「育てる」に grow up を使っていないか(grow up の主語は育つ側だけ)
- 育てる相手は動くものか——子供・動物なら raise か bring up、植物・髪なら grow
- raise に余計な up を足していないか。「育った」の grew up の up は落としていないか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「子供を育てるのは大変だ。」を、実際に英語で書いてみてください。grow up と raise の使い分けがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「子供を育てるのは大変だ。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「grow, raise の違い(育てる)」への照合が 624回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。