解説記事 — フレーズフレーズミー

単語の使い分け

know と learn の違い|「知った」は knew ではない——状態と変化で見分ける

30秒でわかる

know は「知っている」という状態を表す動詞、learn は「(知らなかったことを)知る・学ぶ」という変化を表す動詞です。日本語の「知った」は「知らない→知っている」への変化なので、英語では learn。knew と書くと「(その時すでに)知っていた」という別の意味になります。迷ったら「その瞬間に何かが変わったか?」と自問してください——変わったなら learn です。

×I knew a lot of things by reading this book.
I learned a lot of things by reading this book.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: この本を読んで多くのことを知った。

×I knew a lot of things by reading this book.146回
I learned a lot of things by reading this book.

know は「知っている」という状態を表す動詞です。「知った」は「知る」という動作(変化)なので、learn を使います。

例文: この本を読んで多くのことを知った。

×I knew a lot of things reading this book.58回
I learned a lot of things reading this book.

後半の形を変えても罠は同じです。knew では「(読む前から)知っていた」という状態の過去になってしまい、「読んで知った」という変化が表せません。

例文: この本を読んで多くのことを知った。

×I got a lot of things by reading this book.50回
I learned a lot of things by reading this book.

know を避けて get に逃げるパターンです。got a lot of things だと「多くの物を手に入れた」と物の話に聞こえます。「知った=身につけた・学んだ」は learn が受け持ちます。

第91位

know と learn の取り違えは、よくある誤り全222タイプの中で第91位。当サービスの人手添削12年分で825回指摘されました。ほぼ全員が同じ一箇所——「知った」を knew と書く——でつまずいています。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

原因は、日本語の「知る」が状態と変化の両方を1つの動詞でまかなっていることです。日本語では「知っている」(状態)も「知った」(変化)も、同じ「知る」の活用で言い分けます。だから頭の中の単語帳で「知る=know」と1対1に結びついていると、「知った」を見た瞬間に know の過去形 knew が出てきてしまう。

ところが英語は、この2つを別の動詞に分業させています。

knew は「know の過去」なので「(その時すでに)知っていた」——本を読む前から知っていたことになり、「読んで知った」と言いたい文では意味が逆転してしまいます。

この「状態の動詞と変化の動詞を取り違える」パターンは、know だけの話ではありません。「結婚している」(状態)と「結婚する」(変化)を分ける marry と get married とまったく同じ構図です。

know = 知っている(状態) ずっと続く線 now learn = 知る(変化) この瞬間に変わる(点) 知らない 知っている 「知った」=点の方 → learn を選ぶ
know は続く線(状態)、learn は「知らない→知っている」が切り替わる点(変化)。「知った」は点の方。

図の内容を表にするとこうなります。

日本語正しい動詞意味の型
〜を知っているknow状態(線)。I know his name.
〜を知った・学んだlearn変化(点)。I learned a lot of things.
〜と知り合いになるget to know変化(点)。know に get to を足して「状態に入る」を表す

なお「(人と)知り合いになる」は learn ではなく get to know です。know 自体は状態のままで、get to(〜するようになる)が「変化」を担当します。「英単語を知るようになった」のような知識の話は learn、「彼を知るようになった=知り合った」のような人間関係の話は get to know、と覚えておくと整理できます。

こう考える——書くときの判断手順

  1. 日本語が「知っている」なら状態——know をそのまま使う
  2. 「知っ・学ん・身につけ」なら変化——learn を使う。「その瞬間に、知らない→知っているへ切り替わったか?」で確かめる
  3. knew と書きたくなったら一度止まる——それは「(その時すでに)知っていた」という意味。「読む前から知っていた」と言いたいのでない限り、learned に直す
  4. find out に逃げない——find out は「(調査・研究の結果)見つけ出す・突き止める」で、本を読んで学んだ場面とはニュアンスが違います。当サービスの採点でも「知った」の find out は減点です

ここまでは同じ、ここからは別

「習う・学ぶ」の場面では、learn と study のどちらも正解です。「英語を習い始めてから6年になる」は started studying English でも started to learn English でもよく、当サービスの採点でも両方認めています(learn は「身につく」、study は「勉強する」と重心が少し違うだけ)。また learn の後ろの形も一通りではなく、learn a lot of things by reading this book/from this book/when I read this book はいずれも模範解答です。誤りなのは動詞の選択(knew・found out)であって、文の組み立て方は複数の正解があります。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「この本を読んで多くのことを知った。」を、実際に英語で書いてみてください。「知った」に know と learn のどちらを選ぶかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「この本を読んで多くのことを知った。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「know, learn の違い」への照合が 825回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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