解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けnear・nearly・nearby の違い|「30分近く」は about ではなく nearly
30秒でわかる
形が似た3語は品詞で仕分けます。near は前置詞「〜の近くに」(near the station)、nearly は副詞「ほとんど・〜近く」(nearly thirty minutes)、nearby は形容詞「近くの」(a nearby park)。そして「30分近く」のようにもう少しで達しそうな数量は、about ではなく nearly/almost です。迷ったら「その数に届く直前か? 届いたかどうか不明のだいたいか?」と自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の2つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 列車が到着した時、私達は30分近く待ち続けていた。
about は、その数に達しているかどうかは関係なく「だいたいそのくらい」。「30分近く」のように、もう少しでその数に達しそうな場合は nearly や almost を使います。
例文: 列車が到着した時、私達は30分近く待ち続けていた。
語順を変えても同じ判定です。この問題ではほかにも about 30 minutes・waiting about thirty minutes など書き方のバリエーションが多数ありましたが、減点の理由はすべて同じ「近く=nearly/almost」の取り違えでした。
near・nearly・nearby のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第163位。当サービスの人手添削12年分で153回指摘されました。その大半が「◯◯近く」を about と書く、たった1つのパターンです。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「30分ぐらい」と「30分近く」は、どちらも「正確に30分ではない」という点で同じ仲間に見えます。だから英語でも「だいたい」の about で全部まかなえる気がしてしまう——これが原因です。しかし英語はその数に届いたかどうかで語を分けます。about は届いた・届かないを問わない「だいたい」(28分でも32分でもよい)、nearly/almost は下から迫って、あと少しで届く(28〜29分。30分は超えていない)です。「近く」と言った時点で日本語も「まだ届いていない」を含意しているのに、訳すときにその情報を落としてしまうわけです。
もう1つ、near・nearly・nearby は形が似ているのに品詞が違うことがつまずきのもとです。日本語の「近く」は「駅の近く(場所)」にも「30分近く(数量)」にも使えますが、英語では前者が near(前置詞)、後者が nearly(副詞)と別の単語になります。
3語の仕分けと合わせて表にまとめます。
| 語 | 品詞 | 意味 | 例 |
|---|---|---|---|
| near 〜 | 前置詞 | 〜の近くに | I live near the station.(駅の近くに住んでいる) |
| nearly | 副詞 | ほとんど・〜近く(届く直前) | nearly thirty minutes(30分近く) |
| nearby | 形容詞 | 近くの | a nearby park(近くの公園) |
| about | 副詞 | だいたい(届いたかは不問) | about thirty minutes(30分ぐらい) |
こう考える——書くときの判断手順
- 日本語の「近く」が場所か数量かを見る——場所なら near + 名詞(near the station)。「近くの◯◯」と名詞を飾るなら nearby(a nearby park)
- 数量なら、その数に届いたかどうかを考える——「あと少しで届く」ニュアンス(30分近く・ほとんど全員)なら nearly か almost。「届いたかは不問のだいたい」(30分ぐらい)なら about
- nearly/almost は数や形容詞・動詞の直前に置く——nearly thirty minutes・almost finished。名詞を直接修飾はできません(この点は almost と most の違いで詳しく説明しています)
ここまでは同じ、ここからは別
「30分近く」は nearly でも almost でも正解です(当サービスの採点でも両方認めています。意味はほぼ同じで、almost の方がわずかに「届く直前」の度合いが強い程度)。また、この例文で減点されるのは about の部分だけで、waiting for の for の有無や when 節を前に置くか後ろに置くかは自由——語順のバリエーションはどれも正解として扱われます。逆に、nearly が使えるからといって場所の「近く」まで nearly にはできません。「駅の近くに」は near the station で、nearly the station とは言えない——数量・程度専用の副詞だからです。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「◯◯近く」(あと少しで届く数量)を about と書いていないか——nearly/almost に
- 場所の「〜の近くに」は near + 名詞、「近くの〜」は nearby + 名詞になっているか
- nearly/almost を名詞の直前に置いていないか(数・形容詞・動詞の前に)
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「列車が到着した時、私達は30分近く待ち続けていた。」を、実際に英語で書いてみてください。「30分近く」を about にしないかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「私達は30分近く待ち続けていた」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「near, nearly, nearby の違い(~の近く、近くの~)」への照合が 153回・0.02%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。