解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けmay と might の違い|「かもしれない」の英語と be動詞の落とし穴
30秒でわかる
「〜かもしれない」は may/might + 動詞の原形で表します。might は may の過去形ですが、推量では過去の意味ではなく「may より少し自信が弱い・控えめ」なだけで、どちらを使っても正解です。落とし穴は後ろの形——strong のような形容詞を続けるときは、be動詞を忘れずに may not be strong とします。
まず、実際の間違いを見てください
次の2つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 彼はみんなが思っているほど強くはないのかもしれない。
strong は形容詞なので be動詞が必要です。He is not strong の is が、助動詞 may の後ろでは原形 be に戻る——may not be strong の形です。
例文: 彼はみんなが思っているほど強くはないのかもしれない。
これだと「強くない」と断定する文になり、「〜かもしれない」の訳し落としです。日本語の文末の「かもしれない」を見つけたら、英語では文の途中の助動詞 may/might で表します。
may・might のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第126位。当サービスの人手添削12年分で518回指摘されました。意味の取り違えよりも「be動詞の抜け」「かもしれないの訳し落とし」という形のミスに集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「かもしれない」は文のいちばん最後に付け足す言葉です。「強くはない……のかもしれない」と、まず文を作り終えてから確信のゆるさを添えます。英語は逆で、確信の度合いは主語の直後の助動詞で先に宣言します(He may not be ...)。この語順の違いのせいで、日本語の順に訳していくと文が「強くはない」で完成した気になり、may を入れ忘れるのです。
be動詞の抜けも同じ仕組みで起きます。日本語の「強くない」には動詞が見えないため、may not のあとにそのまま strong を置いてしまう——しかし英語では形容詞に be動詞が必須で、しかも助動詞の後ろでは is ではなく原形の be になります。「is を may の後ろに引っ越しさせると be に戻る」と覚えてください。
図の内容を表にするとこうなります。
| 言いたいこと | 使う形 | 例 |
|---|---|---|
| 〜かもしれない | may + 原形 | He may not be as strong as everyone thinks. |
| 〜かもしれない(より控えめ) | might + 原形 | He might not be as strong as everyone thinks. |
| 〜してもよい(許可) | may + 原形 | You may go home now.(目上から目下への響き) |
| 〜した方がいい(提案) | should + 原形 | You should buy a wallet.(may/might は不可) |
こう考える——書くときの判断手順
- 日本語の文末に「かもしれない」があるか——あれば主語の直後に may か might を置く。文を書き終えてから見直すのではなく、書き始めに決める
- may/might の後ろは動詞の原形——形容詞・名詞を続けたいときは be を忘れない(may not be strong / might be a mistake)
- may と might のどちらでもよい——might の方が控えめなだけで、当サービスの採点では両方正解。過去の話だから might、とは考えない
- 言いたいのが推量でなく「〜した方がいい」なら may/might ではなく should——may は許可(〜してもよい)と推量しか表せない
ここまでは同じ、ここからは別
「彼は強くないのかもしれない」は、He may not be ... でも He might not be ... でも両方正解です(might に過去の意味はなく、控えめさの差だけ)。一方で線引きがあるのは「〜した方がいい」の側——You may buy a wallet. は「買ってもよろしい」という許可になってしまい、提案の意味では誤りです。提案は should(詳しくはshall と should の記事)。なお、might と同じく「過去形なのに過去の意味ではない」控えめ表現の仕組みは、will と would の記事・can と could の記事でも扱っています。あわせて読むと助動詞の過去形の正体がつかめます。
まとめ——書いたあとのチェック
- 日本語の「かもしれない」を may/might で訳出したか(断定文になっていないか)
- may/might の後ろに形容詞を直接つないでいないか(be を入れる)
- 「〜した方がいい」を may/might で書いていないか(should に)
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「彼はみんなが思っているほど強くはないのかもしれない。」を、実際に英語で書いてみてください。「かもしれない」の訳出と be動詞の置き方がそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「彼はみんなが思っているほど強くはない…」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「助動詞 may と might の意味と用法」への照合が 518回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。