解説記事 — フレーズフレーズミー

単語の使い分け

will と would の使い分け|「聞きました」の後ろが would になる理由

30秒でわかる

would は「will の丁寧語」ではありません。視点を一段ずらした will です。ずらし方は2通り——①時間をずらす: 主節が過去形なら that 節の will は would になる(時制の一致)。②現実からずらす: 「〜でしょう」という控えめな推量や、事実でない仮定の帰結には would。迷ったら「話しての視点は今か・過去か」「事実か・想定か」の2つを自問してください。

×We heard that he will go back to his country this year.
We heard that he would go back to his country this year.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 私達は、彼が今年国に帰ると聞きました。

×We heard that he will go back to his country this year.248回
We heard that he would go back to his country this year.

主節が heard と過去形なので、that 節の中も時制の一致で過去にそろえます。「聞いた時点から見た未来」は will でなく would です。

例文: 誰にでも明るく接することが、彼が人気のある理由でしょう。

×The reason why he is popular is that he is nice to everyone.38回
The reason why he is popular would be that he is nice to everyone.

「〜でしょう」という控えめな推量は would be で表します。is と断定すると「理由です」になり、日本語のニュアンスが落ちます。

例文: もしも音楽がなかったなら、私たちの人生は味気ないものになるだろう。

×If it were not for music, our life would have been boring.31回
If it were not for music, our life would be boring.

「なるだろう」は今(か近い未来)の推測なので would be で十分。would have been にすると「なっていただろう」という過去の話に変わってしまいます。

第61位

will と would のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第61位。当サービスの人手添削12年分で1,263回指摘されました。中でも「主節が過去形なのに that 節を will のままにする」時制の一致もれが群を抜いて多い型です。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

一番の原因は、日本語に時制の一致という仕組みがないことです。「彼が今年国に帰ると聞きました」——日本語では「聞きました」だけを過去形にして、「帰る」はそのままです。この感覚で英語を組み立てると that 節に will を置いてしまいます。英語は逆で、報告の中身まで報告した時点の時制にそろえる言語です。heard の時点から見た未来だから、will を過去形の would に落とします。

もうひとつは、日本語の「〜でしょう」が動詞の活用でなく文末の付け足しであること。「理由です」と「理由でしょう」は最後の一語しか違わないため、英訳で would be という助動詞の出番に気づきにくいのです。英語では断定(is)と推量(would be)は助動詞で言い分けます。

will 今から見た未来・推測 過去(heard) would = 過去から見た未来 現実でない想定 would もし〜なら…だろう/〜でしょう
will は今から見た未来。視点を過去にずらしても(時制の一致)、現実からずらしても(推量・仮定)、形は would になる。

図の内容を表にするとこうなります。

使う形場面
will今から見た未来・その場の推測I have no idea when they will appear again.
would(時間のずらし)主節が過去形のときの that 節の未来We heard he would go back this year.
would(現実のずらし)控えめな推量「〜でしょう」・事実でない仮定の帰結The reason would be that ...

こう考える——書くときの判断手順

  1. 主節の動詞は過去形か——heard・thought・insisted なら、that 節の will は would にそろえる。主節が現在形(I don't know など)なら will のまま
  2. 断定か、「〜でしょう」か——日本語の文末が「でしょう・だろう」なら would を思い出す。ただし推量がかかるのは推量している部分だけ。「彼が明るく接する」ことは事実なので he is のまま、「理由でしょう」の部分だけ would be にします
  3. 仮定なら、現実とずれているか——「もし私が君なら」のような現実でない仮定の帰結は would。今のことの推測なら would be で止め、would have been(〜だったろう)まで過去にしない。仮定法の時制のずらし方は仮定法の記事で詳しく扱っています
  4. 「来るはずがない」の強い否定——must not(〜すべきでない)ではなく will not/would not。Such a wonderful player would not come to this team.

ここまでは同じ、ここからは別

時制の一致では、would のほかに was going to も正解です(当サービスの採点でも We heard he was going to go back は模範解答の別解)。逆に、would なら常に安全というわけではありません——「もしもこのロボットの予算があと1億円増えたら」のような実現しうる単純な条件の帰結は、仮定法でなくただの未来なので will を使います(ここを would にすると減点です)。また「明日3時に会うことになっている」のような決まっている予定は will でなく be going to/be supposed to の領分です。この線引きはwill と be going to の記事で扱っています。なお Would you 〜? が Will you 〜? より丁寧な依頼になるのも、本記事の「現実から一歩引くと控えめになる」と同じ仕組みです。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「私達は、彼が今年国に帰ると聞きました。」を、実際に英語で書いてみてください。that 節の will を would にそろえられるかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「私達は、彼が今年国に帰ると聞きました。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「助動詞 will と would の意味と使い方」への照合が 1,263回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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