解説記事 — フレーズフレーズミー

単語の使い分け

listen と hear の違い|「聞く」は2種類——listen to の to が抜ける理由

30秒でわかる

英語の「聞く」は2語に分かれています。listen = 意識して耳を傾ける(音楽・授業・リスニング練習)、hear = 意識しなくても聞こえてくる(物音・うわさ・流れてきたニュース)。そして listen で「〜を聴く」と言うときは必ず to が要ります——listen music は誤り、listen to music が正しい形です。迷ったら「自分から耳を向けたか?」と自問してください。向けたなら listen to、向こうから届いたなら hear です。

×It is very difficult for me to hear English.
It is very difficult for me to listen to English.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 英語を聞くのは私にとってとても難しい。

×It is very difficult for me to hear English.145回
It is very difficult for me to listen to English.

hear は「意識しなくても聞こえてくる」という語です。英語の聞き取りは、聞こうと意識して耳を傾ける行為なので listen to を使います。

例文: 英語を聞くのは私にとってとても難しい。

×Listening English is very hard for me.68回
Listening to English is very hard for me.

listen は自動詞で、目的語を直接続けられません。「〜を聴く」は listen to 〜。動名詞にしても to はそのまま残ります(listening to English)。

例文: 彼女はそのニュースを聞いて泣きたい気分になった。

×She felt like crying when she listened to the news.68回
She felt like crying when she heard the news.

聞こうとして知ったのではなく、流れてきたニュースが耳に届いた場面です。向こうから届いた「聞く」は hear。日本語が同じ「聞いて」でも、英語では語が替わります。

第81位

listen と hear のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第81位。当サービスの人手添削12年分で1,016回指摘されました。「聞き取り練習」に hear を使う誤りと、listen の後ろの to 落ちの2パターンに集中しています。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

原因は2つあります。第一に、日本語の「聞く」が1語で両方をカバーしていることです。「音楽を聞く」(意識して)も「物音を聞いた」(自然に耳に入った)も、日本語では同じ「聞く」。漢字で「聴く/聞く」と書き分けることはあっても、話すときの区別はありません。英語はここを分業していて、自分から耳を向けるか、向こうから届くかで動詞そのものが替わります。この軸が日本語の語彙に存在しないため、「英語を聞く」をそのまま hear English と訳してしまうのです。

第二に、日本語の「〜聞く」が他動詞の形をしていることです。「を」の感覚のまま listen music と目的語を直結してしまう——しかし listen は「耳を傾ける」という動作だけを表す自動詞で、聴く相手は to で向きを示してつなぎます。music に耳を「向ける」から listen to music、と覚えてください。

意識して聴く(自分から耳を向ける) listen to music / English to が「耳を向ける先」を指す。省略できない 自然に聞こえる(向こうから届く) hear the news / a noise hear は他動詞。to は入れず直結する × listen music × hear to the news
listen は to の枠が必須、hear は直結。意味(意識するか)と形(to が要るか)が連動している。

図の内容を表にするとこうなります。

動詞意味後ろの形典型場面
listen to 〜意識して耳を傾けるto + 聴く相手(to は必須)音楽・ラジオ・授業・リスニング練習
hear 〜自然に聞こえてくる・耳に届く目的語を直結(to なし)物音・うわさ・流れてきたニュース

こう考える——書くときの判断手順

  1. 「自分から耳を向けたか?」を問う——向けた(聴こうとした)なら listen、向こうから届いたなら hear。日本語の字面(聞く・聴く)ではなく場面で決めます
  2. listen を選んだら必ず to を添える——listen to music / listen to English。動名詞でも to は残ります(listening to English)
  3. hear を選んだら目的語を直結する——heard the news。「ニュースのことを初めて耳にした」なら hear of もありますが、内容そのものを聞いたときは of を入れません
  4. 綴りにも注意——「聞く」は h-e-a-r。here(ここ)と書くと別の単語になり、これも実際に添削された誤りです

ここまでは同じ、ここからは別

「英語が聞き取れる」という能力の話になると、逆に hear の出番です——I can't hear you.(声が聞こえません)は電話の定番表現で、ここに listen は使いません。また「ニュースを聞いて」に listen to を使った場合、当サービスの採点では文法の誤りではなく「不自然」として軽い減点に留めています——彼女が身構えてニュース番組に耳を傾けていた場面なら listen も成り立つためで、模範解答は hear です。「聞いて泣きたくなった」のような時を表す言い方は when she heard 〜 でも分詞構文 Hearing the news, 〜 でもよく、どちらも正解として認めています。なお、同じ「言う・話す」の使い分け(say・tell・speak・talk)にも日本語1語=英語複数語の同じ構造があります。そちらは talk・tell・speak・say の記事で扱っています。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「英語を聞くのは私にとってとても難しい。」を、実際に英語で書いてみてください。listen と hear の選択と、to の付け忘れがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「英語を聞くのは私にとってとても難しい。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「listen と hear の違い(聴く、聞こえる)」への照合が 1,016回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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