解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けtalk・tell・speak・say の違い|「言われた」を was said と書けない理由
30秒でわかる
「話す・言う」の4動詞は、意味より先に後ろに置ける形で覚えます。tell+人(tell me/tell 人 to do)、say+内容(say that ...・人を続けるなら say to 人)、talk / speak+to 人(直接は人を置けない)。「人に〜するように言う」は tell 人 to do の一択で、これを受け身にした be told to do が「〜するように言われた」です。be said to は「〜だと言われている(うわさ・評判)」で別物。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 彼女は1日に2度散歩するように言われた。
「〜するように言われた」は be told to do。be said to は「〜だと言われている・伝えられている」といううわさ・評判の意味になり、指示の意味では使えません。
例文: 彼女は1日に2度散歩するように言われた。
that 節で言い直しても同じです。say は「say+人+that 節」の形を取れないので、受け身の「人 was said that ...」も作れません。人を主語にして「言われた」なら tell の受け身です。
例文: 他の人があなたについて何と言おうと悩む必要はありません。
悪口や批判を「言う」は say。talk は比較的親しい人たちと「おしゃべりする」イメージで、発言の中身を問題にするときは say を使います。
talk・tell・speak・say の使い分けのミスは、よくある誤り全222タイプの中で第53位。当サービスの人手添削12年分で1,531回指摘されました。特に「〜するように言われた」を be said と書く誤りに集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「言う」は万能です。「言われた」「〜と言う」「悪口を言う」「道を教えて(=言って)」——ぜんぶ「言う」一語で済みます。英語は4語に分業していて、しかも分業の基準は意味の違いというより後ろに置ける形(文の骨組み)の違いです。辞書で「say=言う」「tell=言う・教える」と訳語だけ覚えると、どれも同じに見えて、日本語の「言われた」から直訳で was said を作ってしまう——これが最頻出の誤りです。
4動詞の「後ろの枠」を並べると、違いが一目で分かります。
図の内容を表にするとこうなります。
| 動詞 | 後ろに置ける形 | イメージ | 受け身にすると |
|---|---|---|---|
| tell | 人(+to do/+内容) | 人に情報・指示を伝える | be told to do「〜するように言われた」 |
| say | 内容(that 節・せりふ)。人は say to 人 | 発言の中身を口にする | be said to be「〜だと言われている(評判)」 |
| talk | to/with+人・about+話題 | おしゃべりする・話し合う | — |
| speak | to+人・言語(speak English) | 声を出して話す・演説する | — |
最頻出の誤り be said が生まれる仕組みも、この表で説明できます。tell 人 to do の「人」は動詞の直後にあるので、受け身にすると She was told to do——「彼女は〜するように言われた」が成立します。一方 say の直後にあるのは内容で、人はそもそも say の目的語になれません。だから人を主語にした She was said to do は「指示された」にならず、「彼女は〜すると言われている(といううわさだ)」という別の意味に化けてしまうのです。
こう考える——書くときの判断手順
- 「言う」相手の人を動詞の直後に置きたいか——置きたいなら tell(tell me the way/tell 人 to do)。say を使うなら人の前に to(say to 人)
- 「人に〜するように言う・言われる」は tell 人 to do/be told to do で固定——「言われた」から was said を作らない。be said to は「〜だと言われている」といううわさ・評判の意味
- 発言の中身(せりふ・悪口・意見)を問題にするなら say——what people say about you。「おしゃべりする」なら talk to/with 人
- speak は声を出す行為・言語に——speak to 人・speak English。「〜の悪口を言う」の決まり文句 speak ill of 〜 もここ
この手順は当サービスの採点基準とそのまま対応しています。「彼女は1日に2度散歩するように言われた」で She was said to ... と書くと減点(手順2)、「アンナに図書館に来るように言った」で He said Anna to come と書くと減点(手順1)、というように、416問の判定はこの4つで説明できます。
ここまでは同じ、ここからは別
talk と speak は境界がゆるく、「姉はいつもたくさん喋る」は My sister always talks a lot. でも speaks a lot でも正解です(speak はやや「伝えること」寄りですが、ネイティブ間ではほぼ同じ意味で使われます。当サービスの採点でも両方可)。また be said to 自体は誤りではなく、「彼女はよく親切だと言われる(=評判だ)」なら She is often said to be kind. が正解——同じ「言われる」でも、指示なら be told、評判なら be said と分かれるのがこの単元の核心です。逆に「道を教えてください」は teach ではなく tell me the way(teach は勉強を教えるとき)。近い表現の let me know は「知らせてください」で、道を尋ねる場面では tell me が自然です。受け身の作り方そのものに不安があれば受動態の記事を参照してください。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「〜するように言われた」を be told to do で書いたか(was said にしていないか)
- say の直後に人を置いていないか(人を足すなら say to 人、または tell に切り替え)
- 発言の中身なら say、おしゃべりなら talk to、声・言語なら speak になっているか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「彼女は1日に2度散歩するように言われた。」を、実際に英語で書いてみてください。be told と be said の使い分けがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「彼女は1日に2度散歩するように言われた。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「talk, tell, speak, say の違い(話す、言う)」への照合が 1,531回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。