解説記事 — フレーズフレーズミー
冠詞と名詞の形a と an の使い分け|冠詞の付け忘れ・an のし忘れはこう防ぐ
30秒でわかる
不定冠詞 a/an は「数えられる名詞の単数形には必ず付く」目印です。付け忘れが最も多い減点で、次に多いのが an のし忘れ——直後の語の発音が母音(ア・イ・ウ・エ・オの音)で始まるなら an です。文字でなく音で決まるので、an hour(h は読まない)・a university(発音はユ)となります。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 私はこれほどおもしろい本を今まで読んだことがない。
a/an を決めるのは直後の語です。名詞(book)でなく形容詞(interesting)が続くときは、その形容詞の頭の音で決まります。interesting は母音の音で始まるので an。
例文: 1億円あったら、家が買えるのになあ。
「家が買えるのになあ」の家は、まだ持っていない「どれでもいい1軒」。日本語の「(自分の)家」につられて my house と書くと、「すでに自分の物である家を買う」という変な意味になります。まだ特定されていない1つには a を使います。
例文: 私は自転車が買いたい。
a が付く相手は動詞でなく名詞です。冠詞は必ず名詞(のかたまり)の直前に置きます——purchase a bike。
不定冠詞 a/an のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第23位。当サービスの人手添削12年分で4,758回指摘されました。「an にし忘れる」「a を落とす」「a の位置がずれる」の3パターンに集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語には冠詞がありません。「本を読んだ」「家を買いたい」——名詞はいつも裸のままで文が成立します。そのため英作文でも名詞を裸のまま置いてしまうのが、付け忘れの正体です。英語では数えられる名詞の単数形を裸で使うことはできず、a/an・the・my などの「目印」のどれかが必ず前に付きます。
もう1つのクセが「an は綴りで決まる」という思い込みです。a/an の区別は綴りでなく発音で決まります。hour は h を読まないので an hour、university は「ユ」の音(子音扱い)で始まるので a university。ローマ字の感覚で文字を見て判断すると、hour や honest でつまずきます。
図の分かれ目を例で確認するとこうなります。
| 直後の語 | 頭の音 | 正解 |
|---|---|---|
| book / high school student | 子音 | a book / a high school student |
| interesting / expensive / author | 母音 | an interesting book / an expensive present / an author |
| hour(h を読まない) | 母音 | an hour |
| university(発音は「ユ」) | 子音扱い | a university |
こう考える——書くときの判断手順
- 名詞を書いたら、数えられる名詞の単数形か確認する——そうなら裸のまま置けない(× I was high school student / ○ I was a high school student)
- my・the など他の目印がすでに付いていないか見る——付いていれば a は重ねない(× a my notebook)。逆に「どれでもいい1つ」「初めて話題に出す1つ」なら the でなく a(× I want to buy the bicycle ─ 特定の1台の話でなければ a bicycle)
- a か an かは、直後の語を声に出して決める——母音の音で始まれば an。形容詞が割り込んだらその形容詞の音で判断(an expensive present)
- 置く位置は名詞のかたまりの先頭——動詞の前に置かない(× to a purchase bike / ○ to purchase a bike)
なお、数えられない名詞には a/an を付けられません(× an intense heat / × a cola)。数えられる・数えられないの見分けそのものは冠詞と複数形の記事で扱っています。
ここまでは同じ、ここからは別
「1億円あったら家が買えるのに」では、a house のほかに my own house(自分自身の家)も正解です。my house が誤りなのは「すでに所有している家」と読めてしまうからで、own を足して「自分の持ち家にする1軒」と言えば意味が通ります。また「1時間以上」は an hour だけでなく one hour も正解(当サービスの採点でも more than one hour を模範解答にしています)。「いい天気だ」も It's a fine day today.(day に a が必要)と It is fine today.(fine だけなら冠詞不要)の両方が正解——a が要るかどうかは、数えられる名詞(day)を使うかどうかで決まります。
まとめ——書いたあとのチェック
- 数えられる名詞の単数形が裸のまま残っていないか(a/the/my のどれかが付いているか)
- a の直後を声に出したか——母音の音なら an(形容詞が続くならその音で)
- 「どれでもいい1つ」に my や the を使っていないか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「私は自転車が買いたい。」を、実際に英語で書いてみてください。冠詞を付けるか・どこに置くかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「私は自転車が買いたい。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「不定冠詞(a, an)の使い方」への照合が 4,758回・0.7%。集計 2026-08-13)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。