解説記事 — フレーズフレーズミー
文型・語順動詞のあとは to do か doing か|give up to do・enjoy to do がダメな理由
30秒でわかる
「〜するのを…する」と言うとき、動詞の後ろに to do を入れるか doing(動名詞)を入れるかは、前の動詞ごとに決まっています。give up・enjoy・practice・spend・feel like は doing 専用、want・refuse・decide は to do 専用。try は両方入りますが意味が変わります(try doing=試しにやってみる/try to do=やろうと試みる)。迷ったら「その動詞は後ろにどの形の枠を持っているか」を確認するのが手順です。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 私はその本を買うのをあきらめた。
give up の後ろに動詞を続けるときは動名詞(-ing)しか入りません。give up to buy という並びは作れないので、buying にします。
例文: 私は先月試しにバンジージャンプ(bungee jumping)をやってみた。
try は両方の形が入りますが意味が別。try doing は「試しに(実際に)やってみた」、try to do は「やろうと試みた(できたかは不明・むしろできなかった含み)」。「先月試しにバンジージャンプをやってみた」は実際にやった話なので doing です。
例文: 私の趣味は韓流映画を見ることです。
enjoy も動名詞専用の動詞。enjoy to watch とは言えないので watching にします。
「動詞の後ろに入れる形」のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第27位。当サービスの人手添削12年分で4,399回指摘されました。give up と try の2つだけで上位の大半を占めています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語では「買うのをあきらめた」「見るのを楽しむ」「やってみた」——どの動詞でも「〜するの」「〜すること」という同じ形を後ろにつなげられます。動詞ごとに接続の形を変える仕組みが日本語にないのです。そこへ学校英語の「〜すること=to do」という最初の刷り込みが重なると、あらゆる動詞の後ろに to do を置いてしまいます。give up to buy・enjoy to watch は、この「一律 to do」の直訳が生んだ誤りです。英語では、後ろに入る形の指定は前の動詞が持っている——単語を覚えるとき「give up+doing」のように枠ごと覚えるのが正しい単位です。
図の内容を表にするとこうなります。
| グループ | 動詞の例 | 後ろに入る形 |
|---|---|---|
| doing 専用 | give up・enjoy・practice・spend+時間・feel like | doing(× to do) |
| to do 専用 | want・refuse・decide・hope | to do(× doing) |
| 両方(意味が別) | try・remember・forget | doing=した/to do=これからする・しようとする |
こう考える——書くときの判断手順
- 「〜するのを…」と書きたくなったら、まず前の動詞がどの枠を持つかを思い出す——give up・enjoy・practice・feel like・spend+時間 なら doing(× give up to buy → ○ gave up buying、× practice to skate → ○ practice skating、× spent four hours to come up with → ○ spent four hours coming up with)
- want・refuse など to do 専用の動詞に doing や原形を入れていないか確認する——× I want buy … → ○ I want to buy …、× refuse going → ○ refuse to go。to を落として原形を2つ並べるのも同じ誤りです
- try は意味で選ぶ——実際にやってみた話なら try doing(または try+名詞)、やろうと努力した話なら try to do。「試しにやってみた」を try to do と書くと「(結局できなかった)」の含みが出て減点されます
- 「〜するようになる」を become to do としない——become は to do の枠を持たない動詞なので、come to do を使います(came to believe …)
ここまでは同じ、ここからは別
「試しにバンジージャンプをやってみた」は、I tried bungee jumping.(try+名詞)も正解です——動名詞にこだわらず名詞を直接置いても同じ意味になります(当サービスの採点でも別解)。逆方向の例外もあります——All you have to do is push this button.(あなたはこのボタンを押しさえすればいい)の is の後ろは to不定詞か原形で、動名詞 pushing はここでは誤り。「-ing が常に安全」なわけでもありません。また受け身でも枠は保たれます——tell 人 to do を受け身にすると She was told to take a walk. で、was told taking とはなりません。
まとめ——書いたあとのチェック
- give up・enjoy・practice・feel like・spend+時間 の後ろは doing になっているか
- want・refuse の後ろは to do か(原形2つ並べ・doing になっていないか)
- try は「実際にやった」なら doing、「試みた」なら to do を選んだか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「私はその本を買うのをあきらめた。」を、実際に英語で書いてみてください。give up の後ろに入れる形がそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「私はその本を買うのをあきらめた。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「第3文型SVO(動詞+to do/doing)タイプ」への照合が 4,399回・0.7%。集計 2026-08-13)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。