解説記事 — フレーズフレーズミー
文型・語順want 人 to do の to を忘れる|動詞+人+to do/do/doing の型の選び方
30秒でわかる
「人に〜してもらいたい・するように言う・頼む」は、動詞+人+ to do の型で書きます(want him to go / tell her to come / ask me to help)。人の直後に動詞の原形を続けるのは、make・let・have(使役)と see・hear(知覚)だけに許された特別な形です。迷ったら「この動詞は make・let・have・知覚動詞か?」と自問——違うなら to を置いてください。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 彼女は1日に2度散歩するように言われた。
tell 人 to do(人に〜するように言う)の受け身は be told to do。told take と動詞を2つ並べることはできません。受け身にしても to は消えないのがポイントです。
例文: 私は彼にアメリカに行ってもらいたい。
「人に〜してもらいたい」は want 人 to do。want は使役動詞ではないので、him の直後に原形 go を置けません。
例文: 帰りは行きの3倍の時間がかかった。
「時間がかかった」の take は、かかった人を目的語に取ります(It took 人 時間 to do)。日本語で「私は」が省略されていても、英語では me を補います。その人から時間を「奪う」イメージです。
「動詞+人+〜」の型のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第77位。当サービスの人手添削12年分で1,033回指摘されました。to の落とし忘れと、受け身にしたときの型くずれに集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「彼に行ってもらいたい」「散歩するように言われた」には、to にあたる語がどこにもありません。「行って+もらいたい」と動詞を直接つなげる言語なので、英語でも want him go と動詞を並べたくなります。
英語の文は原則として動詞(時制を持つもの)は1文に1つ。2つめの動作は to do・doing・done のどれかの「格下げされた形」でしか入れません。そしてどの形を取るかは、前の動詞ごとに決まっています。want・tell・ask・expect は to do 専用、make・let・have は原形専用、see・hear は doing/原形——これは理屈より「動詞ごとの指定席」として覚える性質のものです。指定席が頭に入っていないと、日本語と同じ感覚で席を詰めて(to を抜いて)しまうのです。
図の内容を表にするとこうなります。
| 動詞のグループ | 型 | 例 |
|---|---|---|
| want・tell・ask・expect | 動詞+人+ to do | I expect their next plan to succeed. |
| make・let・have(使役) | 動詞+人+ do(原形) | My mother made me clean the room. |
| see・hear(知覚) | 動詞+人・物+ doing/done | I saw them arguing. / I heard it used. |
| keep・leave など | 動詞+物+形容詞 | My friend keeps the room clean. |
使役動詞(make・let・have・get)の詳しい使い分けは使役動詞の記事で扱っているので、ここでは繰り返しません。
こう考える——書くときの判断手順
- 「人に〜するように・してもらうように」の文か確認する——そうなら動詞+人+ to do が基本形。動詞の直後に「人」、その後に to(× I expect to succeed their next plan のように目的語を後回しにしない)
- to を抜いてよいのは make・let・have と知覚動詞だけ——want・tell・ask・expect で人の直後に原形が来ていたら to を補う
- 受け身にしても型は保存される——tell 人 to do → be told to do。to まで含めて残す(× She was told take a walk)
- 知覚動詞の後ろは「〜している最中」なら doing、「〜される」なら done——see scientists having discussions / hear it used。see that 〜・hear that 〜 にすると「分かる・話を聞く」の意味に変わってしまう
- 補語が状態のときは形容詞を置く——keep the room clean(× cleanly。副詞は入らない)
ここまでは同じ、ここからは別
「〜することを期待している」は I expect their next plan to succeed. でも I expect that their next plan will succeed. でも正解です(expect・hope などは that 節でも同じ意味が言え、当サービスの採点でも両方を模範解答にしています)。ここが tell との分かれ目で、tell 人 that 〜 は「事実を伝える」であって「〜するように言う(指示)」にはなりません。指示の意味では tell 人 to do を使います。同様に、知覚の see・hear も that 節にすると意味が変わります(see that =分かる)。つまり「that 節でも言い換えられる動詞」と「型を変えると意味が変わる動詞」がある——ここを一律に「どちらでもよい」と覚えると失点します。say と tell の違いそのものはsay・tell・speak・talk の記事で、「動詞+人+物」(第4文型)の名詞2つの並びはSVOO の記事で扱っています。
まとめ——書いたあとのチェック
- want・tell・ask・expect の「人」の後ろに to があるか(受け身の be told to まで含めて)
- 人の直後の原形は make・let・have・知覚動詞のときだけになっているか
- 「指示」を tell 人 that 〜 で書いていないか(tell 人 to do に)
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た型が試される「私は、彼らの次の計画が成功することを期待している。」を、実際に英語で書いてみてください。expect の後ろに「人・物+ to do」を正しく並べられるかがそのまま試されます。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「彼らの次の計画が成功することを期待している」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「第4文型SVOOまたは第5文型SVOC(動詞+名詞+to do/doing/do/done)タイプ」への照合が 1,033回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。