解説記事 — フレーズフレーズミー
文型・語順There is/are 構文の使い方|固有名詞に使えない・not と no の違い
30秒でわかる
There is/are 〜 は「(不特定の)何かが存在する」と新しく話題に出すための構文です。後ろに置けるのは a や some、数詞のつく「不特定の名詞」だけ——Nagoya Castle や my father's hometown のような「特定できるもの」は、そのまま主語にして be動詞で書きます。迷ったら「その名詞に a をつけて自然か?」と自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: もしも音楽がなかったなら、私たちの人生は味気ないものになるだろう。
there were not music だと「そこ(それ)が音楽でない」という別の意味に読めてしまいます。There is 構文の否定は no(または not any)で名詞側を打ち消します——there were no music / there were not any music。
例文: この車はどこか故障している。
日本語の主語「この車は」をそのまま英語の主語にすると has の文になりますが、言いたいのは「悪いところが(どこかに)ある」という存在です。不定代名詞 something を There is で話題に出し、There is something wrong with 〜 とするのが決まった言い方です。
例文: 名古屋城は、愛知県にあります。
There is 構文が新しく話題に出せるのは、a のつくような不特定のものだけです。Nagoya Castle は固有名詞=聞き手も特定できるものなので、そのまま主語に置いて Nagoya Castle is 〜 と書きます。my father's hometown(私の父の故郷)のような my つきの名詞も同じです。
There is/are 構文のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第55位。当サービスの人手添削12年分で1,495回指摘されました。「使うべき場面で使わない」と「使えない名詞に使う」の両方向で減点が起きるのが特徴です。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語の「ある・いる」は万能で、「名古屋城は愛知県にある」「舞台の上に五人の女性がいる」「どこか故障している」を全部同じ形で言えます。英語はここを2つに分業しています。①聞き手がまだ知らない不特定のものを「あるよ」と持ち出すときは There is/are、②すでに特定できているものの「場所・状態」を言うときはそれを主語にして be動詞、です。
日本語にこの区別がないため、「〜がある」と見た瞬間に何でも There is で書き始めてしまう(→名古屋城の誤り)か、逆に日本語の主語をそのまま英語の主語にして There is を使いそこねる(→「この車は」を This car has と書く誤り)——両方向の間違いが起きます。
図の内容を表にするとこうなります。
| 言いたいこと | 使う形 | 例 |
|---|---|---|
| 不特定のものが「ある・いる」 | There is/are + 名詞 | There are five women on the stage. |
| 特定のものが「〜にある」 | 主語 + be + 場所 | Nagoya Castle is in Aichi Prefecture. |
| 「ない」(否定) | There is no + 名詞 | If there were no music, ... |
| 人が「持っている」予定・物 | 主語 + have | Do you have any plans for Christmas? |
be の形は後ろの名詞に合わせます——five women なら are、milk(数えられない名詞)なら is。この単複一致のしくみは be動詞の使い分けの記事でくわしく扱っています。
こう考える——書くときの判断手順
- 「〜がある・いる」と書きたくなったら、その名詞に a(や some・数詞)をつけて自然か確かめる——自然なら There is/are + 名詞。固有名詞・my/your つき・the つきで特定できるものなら、それを主語にして be動詞で場所を言う
- There is/are と書いたら、be の形を後ろの名詞に合わせる——複数形なら are、数えられない名詞(milk・music)なら is
- 否定は no(または not any)——there were not music のように not だけを置くと意味がずれる
- 「予定がある」「兄弟がいる」のような人の所有は There is でなく have で——Are there any plans? と聞くと「(世間で)催しがあるか」の意味になってしまいます
3の否定形は、仮定法の問題(もしも音楽がなかったなら)で特によく出ます。if 節の中で were になる理由は仮定法の記事を、music が無冠詞である理由は無冠詞の記事を参照してください。
ここまでは同じ、ここからは別
There is/are を使わない形が常に誤りなわけではありません。「机の上に数冊の本があります」では A few books are on the desk. も正解にしています(不特定でも、場面がはっきりしていれば主語に置けるため)。ただし「舞台の上に五人の女性がいる」のように人の存在を新情報として伝える文では、Five women are on the stage. は減点で、There are で始めるのが正解です——迷ったら There is/are を選ぶのが安全です。また「もしも音楽がなかったなら」は、慣用表現 If it were not for music, 〜(〜がなければ)も正解です。逆に We can see five women 〜 のように「見える」と書くと、存在でなく知覚の文になり意味がずれて減点になります。
まとめ——書いたあとのチェック
- There is/are の後ろは a・some・数詞つきの不特定の名詞か(固有名詞・my つきなら主語にして be)
- be の形は後ろの名詞の単複に合っているか
- 「ない」は no(not any)で書いたか。「持っている」は have にしたか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「舞台の上に五人の女性がいる。」を、実際に英語で書いてみてください。There is/are を使うかどうか・be の形をどうするかがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「舞台の上に五人の女性がいる。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「There is/are を使う構文(いる、ある)」への照合が 1,495回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。