解説記事 — フレーズフレーズミー

文型・語順

to の後ろは原形か -ing か|look forward to doing・be used to doing の「前置詞の to」

30秒でわかる

英語の to には2種類あります。不定詞の to は後ろに動詞の原形(want to go)、前置詞の to は後ろに名詞——動詞を続けたいなら動名詞(look forward to going)です。look forward to・be used to・get used to の to は前置詞。迷ったら「その to の後ろに it や名詞を置けるか?」と自問してください——置けるなら前置詞なので -ing です。

×I'm looking forward to fight against you.
I'm looking forward to playing against you.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: ケン(Ken)はすぐにアメリカの食べ物に慣れた。

×Ken got used to eat American food soon.55回
Ken got used to eating American food soon.

get used to の to は前置詞。後ろには名詞か動名詞(eating)を置きます。原形 eat は置けません。

例文: 決勝で君と戦えるのを楽しみにしているよ。

×I'm looking forward to fight against you at the final.49回
I'm looking forward to playing against you at the final.

look forward to の to も前置詞なので、動詞は動名詞(-ing)にします。なお「戦う」は fight より、「〜と対戦する」の play against 〜 で表すとより自然な英語になります。

例文: 英語を聞くのは私にとってとても難しい。

×It is difficult for me to listening English.11回
It is difficult for me to listen English.

逆方向の間違いです。この to は不定詞の to なので、後ろは動詞の原形。-ing にしてはいけません。

第140位

不定詞の to と前置詞の to の取り違えは、よくある誤り全222タイプの中で第140位。当サービスの人手添削12年分で359回指摘されました。look forward to と get used to の2つの表現に誤答が集中しています。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

原因は「to の後ろは動詞の原形」という中学英語の刷り込みです。want to go・to play soccer と何百回も書くうちに、to と原形はワンセットだと体が覚えてしまう。ところが英語の to は一人二役で、go to school(学校)の to——場所や対象へ向かう前置詞——も同じ顔をしています。前置詞の後ろに置けるのは名詞だけなので、動詞を続けたいときは名詞の性質を持つ形=動名詞(-ing)に変えるしかありません。look forward to(〜を楽しみに待つ)や be used to(〜に慣れている)の to はこちらの前置詞です。日本語には「to の品詞を見分ける」という発想自体がないため、見た目が同じ to をぜんぶ不定詞として処理してしまう——これがこの誤りの構造です。

不定詞の to want to 動詞の原形 go / play / listen 前置詞の to look forward tobe used to 名詞・動名詞 playing / eating / it × 動詞の原形は入らない
不定詞の to の空き枠には動詞の原形、前置詞の to の空き枠には名詞・動名詞だけが入る。

図の内容を表にするとこうなります。

to の種類後ろに入る形代表例
不定詞の to動詞の原形want to go / It is difficult to listen
前置詞の to名詞・動名詞(-ing)look forward to playing / be used to eating / get used to eating

「前置詞の to」を含む表現は暗記で構いません。まずは実際に誤答が集中している look forward to doing(〜を楽しみにしている)と be used to doing/get used to doing(〜に慣れている・慣れる)の2グループを確実に。used to の3表現の見分けはused to と be used to の記事で詳しく扱っています。

こう考える——書くときの判断手順

  1. to の後ろに動詞を書こうとしたら、いったん止まって to の後ろに名詞(it や the game)を置けるか試す——look forward to it ○ → 前置詞 / want to it × → 不定詞
  2. 前置詞なら動詞を動名詞(-ing)に——looking forward to playing / got used to eating
  3. 不定詞なら原形のまま——difficult to listen(× to listening としない)

当サービスの採点でも、この手順のとおり look forward to・be used to・get used to の後ろの原形を減点(look forward to fight で−3点、get used to eat で−2点)としています。逆に、動詞そのものが後ろの形を決めるパターン(enjoy doing・give up doing など)は別の論点なので、動詞のあとは to do か doing かの記事を見てください。

ここまでは同じ、ここからは別

前置詞の後ろが動名詞になるのは to に限りません。in spite of の後ろも同じで、In spite of raining の形も文法的に正しく、当サービスの採点でも正解扱いです。また「〜しても無駄だ」の It is no use の後ろは to 不定詞でなく動名詞(It is no use reading ...)、逆に have no choice but の後ろは to 不定詞(no choice but to laugh)——表現ごとに枠が決まっています。もうひとつ、「海外旅行は私の趣味の一つです」を To travel abroad is ... と不定詞主語で書くのは誤りではありません(文法的に正しく、採点でも減点しません)。ただしネイティブは動名詞主語 Traveling abroad is ... の方をよく使います。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「決勝で君と戦えるのを楽しみにしているよ。」を、実際に英語で書いてみてください。look forward to の後ろに置く形がそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「決勝で君と戦えるのを楽しみにしているよ。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「to不定詞とto動名詞 の違い」への照合が 359回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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