解説記事 — フレーズフレーズミー
文型・語順what to do・how to の使い方|「何と言ってよいか」を what I said と書くミス
30秒でわかる
「何をしたらよいか」「どうすればよいか」のように「〜したらよいか・すべきか」の意味を含むときは、疑問詞+to+動詞の原形(what to do / how to get to / where to go)で表せます。to のあとは必ず原形で、主語は書きません。迷ったら「和文に『〜したらよいか』が入っているか?」と自問——入っていなければ、ふつうの間接疑問文(疑問詞+主語+動詞)の出番です。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 駅までの道を教えてください。
how to go はそれ自体が「行き方」という名詞のかたまりなので、前に the を付けません。tell me how to 〜 で「〜の方法を教えて」がそのまま言えます。
例文: 何と言ってよいかわからなかったので、私は黙ったままでいた。
what I said は「私が(実際に)言ったこと」という過去の事実の意味になり、「何と言ってよいか」とはずれます。「〜してよいか」は what to say、または what I should say で表します。
例文: 卒業後何をするか、もう決めた?いいえ、まだ決めてません。
decide のあとの「何をするか」は「何をすべきか」の意味なので、what to do がぴったりです。what you do は「あなたが(ふだん)すること」に聞こえてしまいます。
疑問詞+to不定詞のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第96位。当サービスの人手添削12年分で795回指摘されました。「〜したらよいか」を訳し落として時制つきの文にしてしまうパターンに集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語では「何と言ってよいか」「何をするか」「どこに行ったらよいか」を、どれも主語なしの節で言えます。そこで英語に直すとき、頭の中で「(私が)何を言うか」と主語を補ってから、そのまま what I say / what I said と主語+動詞の文を組み立ててしまうのです。
ところが英語では、この「〜したらよいか・すべきか」という未定・当為(まだ決まっていない、これからどうすべきか)の意味は、時制つきの動詞では表せません。what I said と過去形にすれば「実際に言ったこと」、what you do と現在形にすれば「ふだんすること」と、起きた・起きている事実の意味に化けてしまいます。英語がこの意味のために用意している専用の型が、疑問詞+to不定詞です。to 不定詞が「これからのこと」を向くのは、want to do や decide to do と同じ発想です(動詞の後ろに入る形の話はto do か doing かの記事で扱っています)。
図の内容を表にするとこうなります。
| 言いたいこと | 形 | 例 |
|---|---|---|
| 何と言ってよいか | 疑問詞+to+原形 | what to say(= what I should say) |
| どう行けばよいか | 疑問詞+to+原形 | how to get to the station |
| どちらを使ったらよいか | 疑問詞+名詞+to+原形 | which tool to use |
| 何と言ったか(事実) | 疑問詞+主語+動詞 | what I said |
which tool to use のように、which・what は直後に名詞を連れてから to 不定詞に続けられます。when to start(いつ始めたらよいか)・whom to see(誰に会えばよいか)など、疑問詞を替えれば幅広く応用できます。
こう考える——書くときの判断手順
- 和文に「〜したらよいか・すべきか」の意味が入っているか確認する——入っているなら、疑問詞+to+動詞の原形(what to say / where to go)。主語は書かない
- 入っていない(「何と言ったか」「何をしているか」という事実)なら、疑問詞+主語+動詞のふつうの間接疑問文にする——このときの語順は間接疑問文の記事で扱っています
- how to のかたまりを崩さない——the how to とは言わないし、how を落として tell me to get to とすると「私に着くように命じる」という別の意味になってしまう
- to のあとは必ず原形——how go to や what to said は形として成立しない
ここまでは同じ、ここからは別
「〜したらよいか」は、疑問詞+to不定詞の専売ではありません。should を使った節でも同じ意味が言えます——where to go と where I should go、which tool to use と which tool I should use は、当サービスの採点でも相互に置き換え可の正解です。to 不定詞型の利点は主語を書かずに済むこと(男女不明の the student が主語でも he/she を選ばずに which dictionary to buy と書けます)。一方で、文の主語に How to study is ... と据える形は英語ではあまり使われず、当サービスでも減点リスクとしています。「勉強の仕方」を主語にしたいときは The way of studying などの名詞表現に言い換えてください。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「〜したらよいか・すべきか」の意味なら、疑問詞+to+原形(または疑問詞+主語+should+原形)になっているか
- what I said/what you do と時制つきにして「事実」の意味に化けていないか
- how to の前に the を付けたり、to のあとを原形以外にしたりしていないか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「何と言ってよいかわからなかったので、私は黙ったままでいた。」を、実際に英語で書いてみてください。what to say と what I said の区別がそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「何と言ってよいかわからなかったので…」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「疑問詞+to不定詞の意味と使い方」への照合が 795回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。