解説記事 — フレーズフレーズミー

文型・語順

to不定詞の名詞的用法とは|like to watching・started cry がダメな理由

30秒でわかる

to不定詞の名詞的用法とは、to+動詞の原形で「〜すること」という名詞のかたまりを作る使い方です(to watch=見ること)。動詞の目的語(like to watch)・be動詞の補語(My hobby is to watch)などに置けます。形の決まりは1つだけ——to の後ろは必ず原形。to watching と ing を続けるのも、to を落として原形だけ置くのも誤りです。

×He likes to watching soccer games.
He likes to watch soccer games.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 彼はサッカーの試合を見るのが好きです。

×He likes to watching soccer games.30回
He likes to watch soccer games.

「〜すること」の言い方は to watch(不定詞)か watching(動名詞)の二択で、to watching はその混ざった形です。to の後ろは必ず動詞の原形。He likes watching ~ も正解です。

例文: 彼女は突然泣き始めた。

×She suddenly started cry.14回
She suddenly started to cry.

started の目的語は「泣くこと」という名詞のかたまりで、動詞の原形 cry のままでは置けません。to cry か crying のどちらかにします。原形を使うなら前に to が必要です。

例文: 彼女は3時間ずっとピアノを弾いている。

×She is continuing play the piano for three hours.11回
She is continuing to play the piano for three hours.

「弾くことを続けている」——continue の後ろも to play(弾くこと)という名詞のかたまりにします。原形 play をそのまま並べることはできません。

第107位

to不定詞の名詞的用法のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第107位。当サービスの人手添削12年分で672回指摘されました。to+ing の混ざった形と、to を落として原形を並べる形の2パターンに集中しています。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

日本語では「見ること」「泣くこと」と、動詞の形を変えずに「こと」を付けるだけで名詞になります。動詞そのものはいつも辞書の形のままです。この感覚で英語を書くと、started cry のように動詞を裸のまま目的語の位置へ置いてしまいます。英語で動詞を名詞のかたまりに変えるには、to を付けて原形にする(to cry)か、ing を付ける(crying)か、必ずどちらかの加工が要るのです。

もう1つの型が to watching です。「to不定詞も ing も『〜すること』」と習うため、丁寧に書こうとして両方の目印を重ねてしまう——しかし2つは択一で、重ねた形は存在しません。to の直後は原形、と1点だけ覚えれば両方の誤りが消えます。

likes +「〜すること」の空き枠 likes to + 原形 to watch ○ 動詞 + ing watching ○ to + ing to watching × 原形だけ watch ×
「〜すること」の枠に入るのは「to+原形」か「動詞+ing」の二択。重ねた形と裸の原形は入らない。

図の内容を表にするとこうなります。

判定
to + 原形He likes to watch ~ / My hobby is to watch ~○ 不定詞の名詞的用法
動詞 + ingHe likes watching ~ / My hobby is watching ~○ 動名詞
to + ingto watching× 混ざった形
原形だけstarted cry / My hobby is watch× 名詞のかたまりになっていない

こう考える——書くときの判断手順

  1. 日本語で「〜すること」と言い換えられる部分か確認する——「見るのが好き」=「見ることが好き」。言い換えられたら、その動詞は裸のまま置けない
  2. to+原形ing のどちらかに加工する——like・start・continue はどちらでも正解。ただし動詞によっては片方しか取れない(enjoy は ing 専用など。動詞ごとの相性は動詞のあとは to do か doing かの記事へ)
  3. 書いたあと to の直後を見る——ing や過去形(to forgot)になっていたら原形に直す
  4. 「〜することは…だ」と主語にしたいときは、動名詞(Reading books is ...)か形式主語(It is ... to read books)にする——To read books を文頭に置くのは文法的には正しいものの一般的でなく、当サービスの採点でも減点リスクになります(形式主語の形はIt is 形容詞 to do の記事へ)

ここまでは同じ、ここからは別

like・start・continue では、to不定詞と動名詞のどちらも正解です(He likes to watch ~ も He likes watching ~ も当サービスの採点で正解。My hobby is to watch ~ と is watching ~ も同様です)。二択のどちらを選んでも良い動詞と、片方しか取れない動詞がある——この線引きだけが暗記対象です。

また、to が「省略できる」特別な場所が1つあります。All you have to do is (to) push this button.(このボタンを押しさえすればよい)のように、前に do がある be動詞の補語では to を付けても省いても正解です。started cry の to 落ちとは別物なので、この形を見て「to はなくてもいいのか」と一般化しないでください。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た形がそのまま試される「私の趣味は韓流映画を見ることです。」を、実際に英語で書いてみてください。be動詞の後ろを to watch か watching にできるかが問われます。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「私の趣味は韓流映画を見ることです。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「to不定詞の名詞的用法(~すること)」への照合が 672回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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