解説記事 — フレーズフレーズミー
前置詞・時の表し方前置詞 by の使い方|「〜によって」「〜で」は「すぐそば」のイメージで決まる
30秒でわかる
by の中心イメージは「すぐそば」です。そばに寄り添うものが、結果のそばにあれば手段・原因(by reading this book)、動作のそばにいれば行為者(written by the author)、時刻のそばまで来れば期限(by nine)になります。「〜することによって」は by +動名詞(-ing)——不定詞(to read)では表せません。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: この本を読んで多くのことを知った。
「読んで(読むことによって)知った」は手段なので by。by は前置詞なので、後ろは不定詞(to read)ではなく動名詞(reading)です。
例文: 彼女は名前を大声で呼ばれて恥ずかしかった。
「呼ばれることによって」恥ずかしくなったので、原因の by が必要です。動名詞をそのまま並べるだけでは、embarrassed とのつながりが切れてしまいます。
例文: 私は9時までに家に帰らなくてはいけません。
at nine は「9時ちょうどに」。「9時までに(遅くとも9時のそばまでには)」という期限は by nine です。until との違いは by・until・till の記事で詳しく扱っています。
「前置詞 by」のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第59位。当サービスの人手添削12年分で1,316回指摘されました。「〜することによって」を to +動詞で書いてしまう誤りが最多です。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
日本語では「本を読んで知った」「車で行く」「9時までに帰る」——手段も原因も期限も、それぞれ別の助詞で言えてしまい、そこに共通のイメージはありません。一方、英語の by はこの全部を「すぐそば」という一つの絵でまかないます。この対応のなさが2種類のミスを生みます。
1つ目は、「読んで知った」の「〜して」を、目的の「〜するために」と混同して to read としてしまうパターン(最多の183回)。2つ目は逆に、日本語の「呼ばれて恥ずかしかった」に前置詞にあたる語がないため、英語でも by を落としてしまうパターンです。
図の内容を表にするとこうなります。
| 用法 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| そば(場所) | by +名詞 | a house by the river(川のそばの家) |
| 手段・原因 | by +動名詞/裸の乗り物名 | by reading this book / by motorcycle |
| 行為者 | 受動態+ by +人 | written by the famous author |
| 期限 | by +時 | by nine / by Monday |
| 決まり文句 | by +裸の名詞 | by mistake(間違えて)/ by oneself(自分で) |
行為者の by(受動態)は受動態の記事、期限の by と until の使い分けはby・until・till の記事でそれぞれ詳しく扱っています。
こう考える——書くときの判断手順
- 「〜して」「〜することによって」が手段・原因なら by——後ろは必ず動名詞(by reading)。to +動詞にしない
- 乗り物の手段は by +裸の名詞(by motorcycle。a も my も付けない)。ただし on や with にすると意味が変わってしまうので注意。特定の車の中と言いたいときは in my car
- 「〜されて(気持ちになった)」の原因にも by——She was embarrassed by being called loudly. の by を落とさない
- 道具には by を使わない——「鉛筆で」は with a pencil(または in pencil)。with の記事参照
- by mistake(間違えて)・by oneself(自分で)は決まり文句ごと覚える——by mistaken や、itself だけで by を落とすのが定番の減点
ここまでは同じ、ここからは別
「この本を読んで多くのことを知った」は、by reading this book のほかに from this book や when I read this book も正解です(手段と見ても、出どころ・時と見てもよい。当サービスの採点でも別解として認めています)。by だけが唯一の正解ではありません。
一方で、by が使えない場面もはっきりあります。
- 主語には付けない——「バスと電車では、どちらが早く着きますか」で Which will get me to the airport earlier, the bus or the train? の bus・train は主語なので、by bus or by train とすると不自然になります
- 重ねすぎない——「その知らせを聞いて動揺する」は be upset by the news で十分。by hearing the news と動名詞を重ねない方が自然です
- 逆接には使えない——「この地図を見ても分からない」を by looking at this map とすると「見ることによって」になり、「見ても(それなのに)」の意味が消えます。even though I look at this map のように接続詞で表します
まとめ——書いたあとのチェック
- 「〜することによって」を to +動詞で書いていないか(by +動名詞)
- by の後ろの乗り物は裸か(by motorcycle。道具なら with)
- by mistake・by oneself の by が落ちていないか
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た手段の by がそのまま試される「私は今年、いろいろな場所にバイクで行きました。」を、実際に英語で書いてみてください。「バイクで」をどう書くかが採点されます。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「私は今年、いろいろな場所にバイクで行きました。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「前置詞 by のイメージ(意味と使い方)」への照合が 1,316回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。