解説記事 — フレーズフレーズミー

前置詞・時の表し方

前置詞 by の使い方|「〜によって」「〜で」は「すぐそば」のイメージで決まる

30秒でわかる

by の中心イメージは「すぐそば」です。そばに寄り添うものが、結果のそばにあれば手段・原因(by reading this book)、動作のそばにいれば行為者(written by the author)、時刻のそばまで来れば期限(by nine)になります。「〜することによって」は by +動名詞(-ing)——不定詞(to read)では表せません。

×I learned a lot of things to read this book.
I learned a lot of things by reading this book.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: この本を読んで多くのことを知った。

×I learned a lot of things to read this book.183回
I learned a lot of things by reading this book.

「読んで(読むことによって)知った」は手段なので by。by は前置詞なので、後ろは不定詞(to read)ではなく動名詞(reading)です。

例文: 彼女は名前を大声で呼ばれて恥ずかしかった。

×She was embarrassed being called loudly.79回
She was embarrassed by being called loudly.

「呼ばれることによって」恥ずかしくなったので、原因の by が必要です。動名詞をそのまま並べるだけでは、embarrassed とのつながりが切れてしまいます。

例文: 私は9時までに家に帰らなくてはいけません。

×I have to go home at nine.69回
I have to go home by nine.

at nine は「9時ちょうどに」。「9時までに(遅くとも9時のそばまでには)」という期限は by nine です。until との違いは by・until・till の記事で詳しく扱っています。

第59位

「前置詞 by」のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第59位。当サービスの人手添削12年分で1,316回指摘されました。「〜することによって」を to +動詞で書いてしまう誤りが最多です。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

日本語では「本を読ん知った」「車行く」「9時までに帰る」——手段も原因も期限も、それぞれ別の助詞で言えてしまい、そこに共通のイメージはありません。一方、英語の by はこの全部を「すぐそば」という一つの絵でまかないます。この対応のなさが2種類のミスを生みます。

1つ目は、「読んで知った」の「〜して」を、目的の「〜するために」と混同して to read としてしまうパターン(最多の183回)。2つ目は逆に、日本語の「呼ばれ恥ずかしかった」に前置詞にあたる語がないため、英語でも by を落としてしまうパターンです。

by = すぐそば a house by the river 手段 手段・原因のそば by reading / by motorcycle 動作のそばに行為者 written by the author 9時 期限のそばまで by nine(遅くともそこまで)
中心は「すぐそば」。結果のそばにある手段・原因、動作のそばにいる行為者、締め切りのそばまで来る期限、と同じ絵が広がる。

図の内容を表にするとこうなります。

用法
そば(場所)by +名詞a house by the river(川のそばの家)
手段・原因by +動名詞/裸の乗り物名by reading this book / by motorcycle
行為者受動態+ by +人written by the famous author
期限by +時by nine / by Monday
決まり文句by +裸の名詞by mistake(間違えて)/ by oneself(自分で)

行為者の by(受動態)は受動態の記事、期限の by と until の使い分けはby・until・till の記事でそれぞれ詳しく扱っています。

こう考える——書くときの判断手順

  1. 「〜して」「〜することによって」が手段・原因なら by——後ろは必ず動名詞(by reading)。to +動詞にしない
  2. 乗り物の手段は by +裸の名詞(by motorcycle。a も my も付けない)。ただし on や with にすると意味が変わってしまうので注意。特定の車の中と言いたいときは in my car
  3. 「〜されて(気持ちになった)」の原因にも by——She was embarrassed by being called loudly. の by を落とさない
  4. 道具には by を使わない——「鉛筆で」は with a pencil(または in pencil)。with の記事参照
  5. by mistake(間違えて)・by oneself(自分で)は決まり文句ごと覚える——by mistaken や、itself だけで by を落とすのが定番の減点

ここまでは同じ、ここからは別

「この本を読んで多くのことを知った」は、by reading this book のほかに from this book や when I read this book も正解です(手段と見ても、出どころ・時と見てもよい。当サービスの採点でも別解として認めています)。by だけが唯一の正解ではありません。

一方で、by が使えない場面もはっきりあります。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た手段の by がそのまま試される「私は今年、いろいろな場所にバイクで行きました。」を、実際に英語で書いてみてください。「バイクで」をどう書くかが採点されます。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「私は今年、いろいろな場所にバイクで行きました。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「前置詞 by のイメージ(意味と使い方)」への照合が 1,316回・0.2%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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