解説記事 — フレーズフレーズミー

動詞の形(時制)

状態動詞と動作動詞の違い|「怒っていた」を got angry と書く誤り

30秒でわかる

英語の動詞には、状態動詞(be・know・live・have=ずっと続く「〜である」)動作動詞(get・meet・go=一度きりの「〜する」)の2種類があります。日本語の「〜ていた・〜ている」はどちらにも化けるので、訳す前に「続いている状態か、その瞬間の変化か」を見分けるのがコツ。「怒っていた(状態)」は was angry、「怒った(変化)」は got angry——ここを取り違えると意味そのものが変わります。

×I got very angry when I met him.
I was very angry when I met him.

まず、実際の間違いを見てください

次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。

例文: 彼と会ったとき、私はとても怒っていた。

×I got very angry when I met him.36回
I was very angry when I met him.

get angry は「(怒っていない状態から)怒る」という変化の動作。got angry と書くと「彼に会って怒りだした」=彼に怒ったように聞こえます。会う前から怒っていた状態を表すには be 動詞で was angry です。

例文: ケン(Ken)はすぐにアメリカの食べ物に慣れた。

×Ken was used to American food at once.26回
Ken got used to American food at once.

こちらは逆向きの取り違えです。be used to は「(すでに)慣れている」という状態。「慣れた」という変化を表すには get used to を使います。be=状態、get=変化という役割分担は angry のときと同じです。

例文: 彼女はそのアイデアを思いつくのに4時間を費やした。

×She spent four hours to have the idea.2回
She spent four hours to come up with the idea.

have は「持っている」という状態動詞。「思いつく」という瞬間の動作には come up with のような動作の動詞(句)が必要です。

第129位

状態動詞と動作動詞の取り違えは、よくある誤り全222タイプの中で第129位。当サービスの人手添削12年分で471回指摘されました。「怒っていた」を got angry と書く誤りと、be used to/get used to の混同に集中しています。

なぜ間違えるか——日本語のクセ

犯人は日本語の「〜ている」です。日本語では「怒っている」「住んでいる」「持っている」も、「走っている」「食べている」も、全部同じ「〜ている」の形——続いている状態なのか、動作の途中なのかを形で区別しません。英語はここを動詞の種類で分業していて、状態動詞(be・know・live・have・belong)はそのままの形で「ずっとそうである」を表し、動作動詞(get・meet・join・run)は「一度の出来事」を表します。この区別が母語にないため、「怒っていた」から「怒る=get angry」を機械的に引いて過去形にしたり、逆に「慣れた(変化)」に状態の be used to を当てたりしてしまうのです。

was angry(状態=幅がある) met him(会った=一点) 会う前から後まで怒っている got angry(変化=一点) その瞬間に怒りだす(→以後は怒っている)
状態動詞は時間の帯(幅)、動作動詞は時間の一点。「会ったとき怒っていた」は、一点(met)が帯(was angry)の中に入る関係。

代表的なペアを表で整理します。左が状態、右がその状態に入る動作です。

状態(〜である・〜ている)動作・変化(〜する・〜になる)
be angry(怒っている)get angry(怒る・怒りだす)
be used to(慣れている)get used to(慣れる)
wear(身につけている)put on(身につける)
be in / belong to(入っている)join / enter(入部する・入る)
have(持っている)come up with(思いつく)・get(手に入れる)
know(知っている)learn(知る・学ぶ)

もうひとつの合流点が進行形です。状態動詞はそれ自体が「続いている」を含むので、原則として進行形にしません。「祖父は故郷で一人暮らしをしています」は is living でなく lives、「成功を期待している」は am expecting でなく expect が正解です(当サービスの採点でも live・expect の進行形は減点対象)。進行形にできる・できないの詳しい線引きは現在進行形の記事へ、know と learn の使い分けはknow・learn の記事へ。

こう考える——書くときの判断手順

  1. 日本語の「〜ている・〜ていた」を見たら、「その前から続いているか?」と自問する——続いているなら状態(be angry / wear / belong to / live)、その場で始まる変化なら動作(get angry / put on / join)
  2. 「〜した・〜になった」でも油断しない——「慣れた」「怒った」のような変化は get の出番(got used to / got angry)。逆に「入っていた」のような継続は、過去でも状態(was in / belonged to)
  3. 状態動詞を進行形にしていないか確認する——know・like・have(持つ)・live・expect・belong はそのままの現在形・過去形で「〜している」を表せる
  4. 未来のある時点まで動作を続ける話なら、動作動詞は進行形を借りる——will have been learning(詳しくは手順1・2で状態か動作かを先に確定してから)

ここまでは同じ、ここからは別

「怒っていた」は was angry のほか was upset も正解です(当サービスの採点でも別解扱い)。また「不安だった」のような感情は、be より feel を使った feel uneasy が自然——be も誤りではありませんが、感情の形容詞は feel と相性がよいと覚えておくと得です。逆方向の注意もあります。「出て行った」のような動作を was out(外にいる状態だった)と書くと、今度は動作を状態にしてしまう逆パターンの減点です。なお have は「(病気に)かかっている」の意味でも状態・動作の顔を持ちます。catch a cold(ひく)と have a cold(ひいている)の対はcatch a cold・have a cold の記事で、be used to と used to の紛らわしさはused to の記事で扱っています。

まとめ——書いたあとのチェック

この間違い、自分もやるか試してみる

この記事で見た「彼と会ったとき、私はとても怒っていた。」を、実際に英語で書いてみてください。was angry と got angry の見分けがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。

「彼と会ったとき、私はとても怒っていた」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点します

データについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「状態動詞と動作動詞の違い(~である、~する)」への照合が 471回・0.1%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。

著者: 株式会社コンテンツアンドシステムズ(人手添削18.4万件・採点基準416問を運営する、ITと教育の融合をミッションとする会社です)。データの出どころと記事の作り方は運営者とデータについてをご覧ください。

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