解説記事 — フレーズフレーズミー
単語の使い分けwould と used to の違い|「よく〜したものだ」を would だけで書くと減点される理由
30秒でわかる
「昔はよく〜したものだ」は used to +動詞の原形か would often +動詞の原形で書きます。2つは同じではありません——used to は動作にも状態にも使え、「今はしない・今は違う」の含みを持つのに対し、would は過去に繰り返した動作だけに使え(状態には使えません)、今と比べる含みはありません。しかも would 単独では意志・推量など別の意味に読めてしまうため、習慣の意味では often を添えるのが安全です。迷ったら「動作か状態か」「今との対比を言いたいか」を自問してください。
まず、実際の間違いを見てください
次の3つは、当サービスの人手添削で実際に繰り返し指摘された誤答です(回数は同じ間違いが添削された実測値)。
例文: 冬にはよく北海道にスキーに行ったものです。
would 単独では「行こうとした(意志)」「行くだろう(推量)」とも読めて、過去の習慣の回想だと伝わりません。習慣だとはっきりさせるため、would は often とセットで使います。
例文: 彼は子供の頃は、歯医者に行くのを拒んだものだった。
ただの過去形 refused だと1回のできごとに読めます。「〜したものだった」という回想には would often refuse、または used to refuse を使います。
例文: 私が歌を歌っていると、うちの犬はよく私のそばに寄ってきた。
「よく〜した」の訳出が抜けています。ただの過去形では「そのとき1回そばに来た」の意味になります。繰り返した習性なので would(この文脈なら習慣の意味が伝わります)や used to で表します。
would と used to のミスは、よくある誤り全222タイプの中で第149位。当サービスの人手添削12年分で269回指摘されました。件数は多くないものの、「〜したものだ」をただの過去形で流してしまう訳し落としと、would 単独で書いてしまう型に集中しています。
なぜ間違えるか——日本語のクセ
一番の原因は、日本語の「〜したものだ」が動詞の活用でなく文末の付け足しであることです。「行った」と「行ったものだ」は動詞部分が同じなので、英訳でも went・refused とただの過去形を書いて、「ものだ」の訳出を落としてしまいます。しかし英語のただの過去形は「その時1回起きたこと」にも読める形——繰り返しの回想だと伝えるには、used to や would often という専用の道具が要ります。
もうひとつは、参考書の「would=〜したものだ」という等式を丸のみすること。would は本来 will の過去形で、意志(〜しようとした)・推量(〜だろう)・仮定の帰結など多くの顔を持ちます(この整理はwill と would の記事へ)。文脈の支えなしに would だけ置くと、読み手はどの顔か決められません。だから当サービスの採点でも、「冬にはよく〜したものです」を I would go skiing と書くと減点し、would often の形を求めています。often が「これは習慣の would です」という目印になるからです。
図の内容を表にするとこうなります。
| used to +原形 | would (often) +原形 | |
|---|---|---|
| 動作の習慣(よく行った) | ○ I used to go skiing. | ○ I would often go skiing. |
| 過去の状態(昔は〜だった・あった) | ○ There used to be a park here. | ×(状態には使えない) |
| 「今はしない・今は違う」の含み | ある | ない(言いたければ but 〜 で明示) |
| ニュアンス | 今との対比が前面に | 懐かしい回想の響き |
こう考える——書くときの判断手順
- 「〜したものだ・よく〜した」という繰り返しの回想か?——そうなら、ただの過去形で流さない(訳し落としが最多の減点です)
- 動作か状態か——「昔は公園があった」「昔は教師だった」のような状態なら used to 一択。would は使えません
- 動作なら used to でも would でもよいが、would には often を添える——I would often go skiing.(当サービスの採点では、この文で would 単独は減点です)
- 「今はしない」まで言いたいか——その含みは used to だけが持ちます。would often で書いたなら、今との対比は but we don't ... のように文で言い足します
ここまでは同じ、ここからは別
「昔はよく皆で集まってゲームをしたものだが、今ではそういうことはない」のような文は、used to でも would often でも正解です(当サービスの採点はどちらも認めます)。ただし would often で書く場合、but 以下(今はしない)を省略できません——would には used to のような「今はしない」の含みがないからです。逆に used to なら、but 以下がなくても「今は違う」ことが伝わります。
また、often の置き場所には幅があります。would often go のように助動詞の直後が基本ですが、文脈から習慣だと明らかな場合(3つ目の誤答例のような when 節つきの文)は would 単独も自然です。一方、used to に often や before を重ねると今度は意味の重複側の減点になります——そちらは重複表現の記事で扱っています。似た形の be used to(〜に慣れている)・get used to(〜に慣れる)は別の表現で、used to と be used to の記事にまとめました。
まとめ——書いたあとのチェック
- 「〜したものだ・よく〜した」をただの過去形で書いていないか(used to か would often に)
- 状態(あった・だった)に would を使っていないか(状態は used to だけ)
- 「今はしない」を言いたいとき、would だけで済ませていないか(used to にするか but 〜 を足す)
この間違い、自分もやるか試してみる
この記事で見た「冬にはよく北海道にスキーに行ったものです。」を、実際に英語で書いてみてください。used to と would often の使い分けがそのまま試される問題です。書いた英文は AI がその場で採点します(登録は不要です)。
「冬にはよく北海道にスキーに行ったものです。」を英語で書いてみる登録なしで、この1問をAIが採点しますデータについて: 本文の回数・割合は、フレーズフレーズミーの人手添削データ12年分の集計値です(添削と誤りタグの照合 655,994回のうち、本記事のタグ「would と used to の違い(~したものだ)」への照合が 269回・0.04%。集計 2026-08-14)。誤答例の「◯回」は、同じ間違いが人手添削と照合された回数です。誤答例はいずれも実際の学習者の答案に現れた文で、個人が特定できる情報は含みません。